どうか、あなたに会えますように (ページ16)

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𝟏𝟔 ページ16

🥟

挨拶をさせてもらった日から数日後、初めてA様の肖像画を描くことになった

『ヒョンジン、今日はよろしくね』

「よろしくお願いします、」

『緊張してる？』

「いえ、A様を描かせていただくことが光栄で、」

『別に緊張してていいのよ？私だって少し緊張してるの』

明らかに緊張している僕を和ませようとしてくれているのか、いたずらっ子っぽい笑みを浮かべてA様はそう言った

正直、この絵の出来次第では“用無し”だと烙印を押されてしまうかもしれない

その圧がチラついて、彼女が緊張をほぐそうと先ほどから広げてくれている会話もあまり頭に入らない

『ねえ、ヒョンジン』

「はい、！」

『落ち着いて描いてくれたらいいのよ？あなたから見えるままの私を描いて』

『あなたは綺麗な目をしてるから、この1回の出来で技術の全てを判断したりしないわ』

その言葉を聞いたら少し肩の荷が下りて、今の自分の精一杯で取り組もうと気が引き締まった