鴉の要石 (ページ6)

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6話ページ6

「ダイジン…」

『案内有難う御座いました。少し待っていてくださいね。』

彼女は躊躇いもなく扉に手を掛ける

錆びついた音を立てて開いた先には常世が輝いていた

そして彼女は常世に足を踏み入れる事が出来ている。

『貴方がダイジン、貴方がサダイジンですね。』

『我が一族に代わり謝罪と感謝を』

谷田は石と石の中心に立って手を合わせる

するとそれぞれの真上に鳥居の脚が現れ石を砕いたかと思うと一気に脚が凍り付く

『私はこの地において要となる』

この言葉を皮切りに鳥居がミミズを抑えていく。

まるで修学旅行で行った多くの鳥居が並ぶ神社のようだと開いた扉から見ていた鈴芽は思う

しばらくして谷田が常世側から扉に近づいて来る

終わったのだろうか

『お待たせしました。』

その彼女の足元には

《すずめ…》

ダイジンとサダイジンが居た

『この扉を越えたら貴方達は一緒に居られる。しかし神と人では理が違う。それでもよければ迎え入れてあげて下さい。』

そんな事とっくに決まっている。

「っおいでダイジン！サダイジン！うちの子になって！！」