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不安定な感情の波のせいで、リビングまで来たはいいが、水を取りに行くのが億劫になった
そのまま真っ直ぐ歩いてソファにドサッと座る
天井を見つめ静かな空間の中で、“彼女”のことを思い浮かべる
ズタボロになってしまった精神や、どこからか湧き出てくる苛立ちも、彼女を思うだけで少し晴れたような気もする
あぁ、滑稽だ
人は人をこんなに好きになってしまえる
さっさと終止符を打ってしまいたいのにノロノロしてたらこんな状態になった
『こんなはずじゃ、、なかったのに、。』
こんなはずじゃ、、、
最初は良かった
事務所のカフェで閉店間際にコーヒーを買いに行ったら彼女も走ってきたみたいで
聞いたところ練習生らしく、どうせ2人なら、と同時に注文して奢ったんだったっけ
その日から彼女とは事務所内でよくすれ違うようになってどんどん仲良くなった
“彼女に堕ちていく”
意外にも自分の中で早く答えが出てきて、気持ちが大きくなるのを必死に押えながらも、そばにいるだけで充分。
そう思って、そばで見守っていた
だけど、こっそり会っていた最後の日に彼女はこう言ったんだ
─────「好きな人、できた」
今までの出来事がすべて大きな音を立てて崩れていく音がした
誰だよそいつ、
なんで俺に言ったの、、？眼中に無いから？
どうして、、、？
何で、俺じゃないんだよ
ぶつける相手がいない怒りをどこにやったらいいか、この時の僕はまだ知らない────
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作者名：月(ユエ) | 作成日時：2023年2月18日 12時
