【wrwrd】ここが異世界という説明は受けました。 (ページ30)

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｢つまり手の上で踊らされとったってことか｣ページ30

排気口を使い内から外へ、外から内へと移動を重ねる。こんな時間に玉座にはいないだろうと踏んで寝室と思われる場所を探す。自分は方向音痴と言われるほどに方向感覚に優れてはいない。だが持ち前の勘を頼りに右へ左へと進んでいくと無駄に広い空間へと繋がった。

寝室と思われる部屋は鉄の匂いで覆われている。嫌な予感がする。引き返せ、酷い目にあうぞと脳からの警告を無視して排気口から出て匂いの中心まで足を運んだ。

嫌な予感が的中した。

ベットから鉄の匂いが広まり、暗いながらも水だと思いたい液体が絨毯にまで落ちているのがわかる。胸あたりを見ても上下に規則正しく動かない。

｢もう死んでるやん…｣

いつ死んだかは分からない。けれども暗さになれた双眼から得た情報は少なくとも噂が広まる前かその辺には死んでいることが分かる

返り血は浴びていない、けれどこのままだと…

暗がりで慣れた双眼に当たる急な光に目眩がした。