｢ｱﾞｱﾞｯ、あと少しで掴めると思ったのにｯ…｣ ページ23
会議は無事に終え、隠密に長けた捜索隊を編成しβ国の森を捜索するよう指示した。α国はあれから森の捜索隊を派遣する気配はないがもしもの時を考えて少人数の隠密部隊である。が『番人』の能力は未知数である。油断はできない。
そう言えば最近β国の森に調査に行ったという知り合いの科学者が居たはずだ。今ならいつもの実験場にて激薬でも作ってることだろう。丁度いい。彼に聞いてみることにしよう。
卓上に散らばる書類の山をみて見ぬ振りして窓から飛び降りた。
……………
迷いなく国境付近の森を進み、白い豆腐ハウスのような建物の前にたどり着く、不自然に違う色をした壁を2度叩き、家主の反応を待たず扉を開けた。
｢君が来るとは珍しいね、なんの用かな？｣
予想通り彼…ドクタークラレはいた。が、少し前まで人が居たようだ。シンクには2つ分の使用済みカップが鎮座して、滅多に使われない客人用ベットにはシワが寄っている。いつもは散らかっている部屋もだいぶスッキリしているようだ。
｢この研究所に人を招いたみたいだな｣
｢それが何かな？別君に害がある訳では無いだろう？｣
手に持っていた資料を見られぬようにと裏返し置かれる。異能を使えば指示して見ることが出来るだろうがそんなみみっちい事で異能を使いたくはない。
何かないかと悟られぬよう周りを見る。廃棄をするのを忘れていたであろうゴミ袋の中には赤く濡れて乾いてしまったであろう黒い軍服のようなものが目に映った。黒い軍服を着る国は限られているがその国々の特有の紋章はどこにもない。
一瞬、クラレの雇うナタリーという女性のコスプレ衣装かと思ったがサイズが合ってない。つまりこれは男性のものであったという事だろう。
｢その男は何と名乗った｣
｢一応これ個人情報なんだけど…それに複数人だし｣
複数人ということはせいぜい2人以上いるのだろう。赤の他人かもしれないがここまで露骨に隠すとなると可能性を捨てきれない。
｢拡散しなければ問題ないんだろう？｣
｢君が知ってしまった時点で僕が拡散したことになるんだけど｣
長期戦と行こうか
1時間後、トン氏が迎えに来た。
｢それを俺は普通とは言いません｣→←｢けどタ○ンワーク無いから社員募集してるとこ分からんぞ｣
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作者名：夢見るサーモン | 作成日時：2020年3月27日 16時
