【wrwrd】ここが異世界という説明は受けました。 (ページ3)

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｢行ってらっしゃい｣ページ3

木漏れ日差し込む大樹の根元で眠る男の隣には紫色の男がたっている。

慣れた手つきでタバコを1本取り出し、火をつける。タバコから発せられる有害物質を口に大量に含んで、吐き出す。

__先輩が眠ってもうすぐひと月経つのか…

あの悲劇のシーンが流れたあと、自称天使に頼んで近くに転移させて貰い、先輩の元へ急いで行ったがもう既に彼は意識を手放していた。脈を確認し、生きていることは分かったがかれこれずっと眠りっぱなしである。

｢今日も起きないんすね。先輩｣

独り言をポツリ、とつぶやく。誰にも聞かれない音は風に流されて消える。

吸殻を携帯灰皿にコツコツと入れ込む。そろそろ捨てに行こうかな、とぼんやり考えながら短くなったタバコを押し潰して灰皿の中へねじ込む。

ふとそこで遠くから草を書き分ける音が聞こえる。懲りずに人がやってきたのだろう。

｢すぐ戻ってきますからそこで待っててくださいね。｣

どうせ動きもしない眠り続けている先輩にそう言って音のなるほうへ向かっていった。

ぴくり、と小さく指が動いていた。