【wrwrd】ここが異世界という説明は受けました。 (ページ19)

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｢けど名前長いんで普段呼んでた短縮形でええか｣ページ19

彼の名前は何だったかな…

荷物をよいしょと背負い直してふと隣にいる紫色のヘルメットを被った青年を横目で見る。アイツは俺の事を『先輩』と呼んでいたが生憎記憶にない。いや、思い出せないだけで本当はあるのかもしれない。記憶とは何か思い出すと関連付けてそれに似た様な記憶が思い出される。

某魔法少女で言うと映画であった叛逆の物語で悪魔になった少女が1部シーンで言ってたはず。まあ、その時は悪魔の子が時を巻き戻していて自らも記憶が消失してたんやけど

たしか思い出された原因がちょっとした違和感からだったな。見てるうちに思い出すことを祈るか。

と、視線を離した隙に目の前に小さな殺意が…

反射的に半歩後ろに下がる。少し反応速度が遅かったのか髪の毛に少しかすり、ハラハラと切れた髪が落ちる。青年は｢ちっ｣とギリギリ聞こえるくらいに舌打ちをする。

｢危ねぇだろうがショッピィイ！！｣

ああ、思い出した思い出した！オンラインゲームをしていた時にたまたま出会った初心者で会社の後輩だったあのいけ好かない野郎だ！！

オンラインゲームを開いたら真っ先に俺に向かって隠密スキルまで使ってリスポーンさせるためだけに殺しに来たあの後輩、『ショートピース』だ！！

｢それ、ゲームで俺の使ってたキャラの名前じゃないっすか。俺の本名…あー、ここじゃ浮きますね。じゃあそれで｣
｢それでええんかお前…｣