【wrwrd】ここが異世界という説明は受けました。 (ページ16)

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｢いきなりどうしたんやろこの人｣ページ16

資料の山から目を背けてエーミールから教えてもらった人物の名前をふと並び替えていた。

シマネコ…後ろから呼んだらコネマシ…うん？

__コネシマ？

ダァン、と机を叩いてその反動で立ち上がる。机の上の資料が1部床に落ちたが気にはしない。ツカツカと小走りで廊下を歩いていく。

名前が似ている赤の他人の可能性は少なからずあったがそんなことは実際に対面した彼に聞けば大まかにわかるだろう。

目的の人物が居そうな部屋の前まで来て思いっ切りドアを開けた。

結論から言おう、目的の人物はいた。思い切り開かれたドアの音で驚いたのか｢うひゃあ！？｣と叫び、ひっくり返った。ゴンッと鈍い音がして大丈夫かアイツ…と顔を覗いた。その時に訪れた相手を知った彼は安堵の息をついて｢なんだグルッペンか…｣と安心しきった表情を見せた。

｢『なんだ』とは随分な挨拶だな。エーミール｣
｢本来総統室にて資料を捌いてなければおかしい人がいきなり現れるものですから…で、何か用があるのではないでしょうか？｣

｢飲み物注いできますね｣と未だに痛むであろう体を持ち上げ、問答無用で珈琲を作るエーミール。｢砂糖やミルクは入れすぎないようにしてくださいね｣と念を押され、渋々角砂糖は四つ、ミルクは三杯までにしとこう。

｢話が早いな。『シマネコ』という男について詳しく聞かせてくれ｣
｢あの人のことそこまで知らんのやけど｣
｢第一印象とかでいい。｣
｢本当にそれでいいのなら｣

目の前にゆっくりと置かれた珈琲から目を離し、向かい側の椅子に座るエーミールを見ながら砂糖をコーヒーの中に一つ余分に入れて掻き混ぜた。