｢これバレたら怒られるよね｣ ページ15
彼が目覚めたあとは色々と検査をした。元の結果は知らないけどほとんど平均的な成人男性並のものであった。
まあ、彼はどこからどう見ても普通の成人男性では無いので筋力の低下ぐらいは起きているだろう。生憎、お父さん元気モリモリドリンクは無いので自らの手で鍛えてくれ。
｢…にしても彼は珍しい能力者だね。研究が捗るよ｣
資料の中には、彼の言う能力の他に1つ、別の能力が記載されている。
ガチャ…と扉の開く音が部屋に響く、自分は資料片手にあれこれ唸っていたので間違いなくこの部屋に他の人が入り込んだ。が、全くの他人という訳では無いので音のなった方へ振り向いた。
｢君が来るとは珍しいね、なんの用かな。｣
滅多なことがない限り開かれることの無い隠し扉から一人の男が現れた。この扉の存在を知るのは実験に付き合ってくれるあの子ともう1人…総統閣下である。
その総統…グルッペンはやあ、と手を挙げた。
｢この研究所に人を招いたみたいだな｣
｢それが何かな？別君に害がある訳では無いだろう？｣
軍に太刀打ちできるほどの人数ですらない、脅威とはならなさそうな2人組。なぜそのことを聞くのだろうか。不思議である。
｢その男は何と名乗った｣
｢一応これ個人情報なんだけど…それに複数人だし(と言っても2人だけだけど)｣
それに去り際、紫の彼から｢名前を拡散したら殺します｣と念を押されているからね。まだ死にたくないから言わないよ。
｢拡散しなければ問題ないんだろう？｣
｢君が知ってしまった時点で僕が拡散したことになるんだけど｣
ただの個人情報なのにどれだけ知りたいのこの人。これ僕が言わなきゃ一生帰らないオチではないだろうか。
｢いきなりどうしたんやろこの人｣→←｢これは偶然なのか必然なのか｣
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作者名：夢見るサーモン | 作成日時：2020年3月27日 16時
