｢何も盗られてないので問題ないです｣ ページ15
色々と説明を省くが車を手に入れた。車と言うよりはトラックだが足として使えるし雨風は凌げるからこれから重宝することだろう。燃料については確保をどうするか未定だが、車があるんならガソリンスタンドぐらいあるだろうという楽観的な考えでいる。
トランシーバーが付いてたが剥がして車で潰した。これならGPSが搭載されてない限り追われることは無い。そもそも車に搭載されないからノープロブレム。だが見た目からして盗難車であることが明らかなため早々に改良が必要である。
ふーんふーんと花歌を歌いながら呑気に運転する。すると道中に倒れている男が目に入った。酒で酔ってるのかと最初疑ったがこんな真昼間に酒飲むやつが何処にいるのか。車を路肩に停め倒れている男に声をかけてみることにする。
｢おーい、大丈夫か？｣
頬をぺちぺちと叩きながら反応を待つ。反応がないから次に肩を揺らす。それでも反応はない。ただ規則正しく寝息が聞こえるくらいだ。
軽くため息をついて近くの国へ送ろうとした。が思いつくのは(不法)出国したばかりのW国。車は見つからなさそうな場所に止めるとしてなんと説明したものか。道中で拾ったので連れてきました？いや、こいつも中々に見た目が怪しいからな…なんでヅラ被ってんねん。
ぶにぶにぶに…と頬を今度はつついているといきなり男が開眼した。
｢うわっ！？｣
｢うおぉ！？｣
男は驚いて飛び起き、俺は数歩分下がった。そしてお互いを見つめること数秒。
｢ええっと…介抱してくれてました？｣
｢どっちかって言うと意識があるかの呼びかけ程度やけど…道中で寝るのは良くないで｣
｢ああ、すみません。ちょっと寝不足気味でして…今日は天気がいいので気づけば寝てました…｣
｢お前…襲われてもなんも言えへんぞ｣
｢今度から言葉選び気ぃつけよ…｣→←｢今回見つけ出すの早くねえか？｣
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作者名：夢見るサーモン | 作成日時：2020年3月7日 21時
