｢紅茶にはやっぱりケーキだよね！｣ ページ12
｢俺はあれがコネシマだなんて信じてないからな｣
そういったのは誰だったか。そうだ、我らが総統のグルッペンだ。不眠不休で戦後処理を延々と書き込んでいた時に死者数の項目に一と書こうとしてペンが止まった時だった。
死体は血液検査やDNA検査等、様々な検査を通した。どれか外れたら生きている証明にはなったハズだったが検査結果は全て酷似していた。それはコネシマであると言わんばかりな結果であった。しかも運が悪いことに顔は熊に食われて見ることは出来ない。そこでもう諦めが着いたのだろう。彼は死んでしまった。
｢お前いい加減目ェ覚ませよ。いつまで夢見てんだよ！アイツは死んだ！それが事実だ！｣
｢アイツはあんな所でくたばるやつでは無い！｣
｢じゃああの死体はなんだって言うんですかねぇえ！！教えてくださいよォ！！｣
｢そ、それはだな…｣
｢ほらなんも言い返さん！つまりあれは本物やったって話やな！！｣
｢まあまあ、お菓子食べて落ち着くめう。はいはい食べて食べて〜｣
言い争いがヒートアップする前に口元にお菓子が詰め込まれた。もごもごと口を動かそうとすると｢食べ終わってから喋ってね〜聞き取れないから。｣と外交官であるオスマンがお皿に乗っているマカロンを書類だらけの机に置くとお湯が湧いたポットに茶葉を入れた。
｢飲み物は紅茶でいい？精神安定効果があるんやて｣
有無を言わさず紅茶を注いでいるオスマン。今の彼にはあまりさからえないので口に詰められたマカロンを飲み込んだ。ふと部屋の冷たさが和らいでいくような気がして顔を上げた。至る所に太い氷柱が伸びている。
｢…道理で肌寒いわけや｣
｢肌寒いですむお前が羨ましいわ｣
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作者名：夢見るサーモン | 作成日時：2020年3月7日 21時
