Nine steps ページ11
突然大声を上げるイライアス。普段の会議での様子は、冷静に現実を突き付けた上で自分の意見を
述べる。見方によってはかなり嫌味だが、アドリアンはこの彼のやり方が好きだった。
「お前が声を荒げるとは、余程のことに違いないのぅ。」
「認識が遅すぎます、大臣。」
「すまんのう。年をとると、頭の回転が遅くなるんじゃ。」
「その誘拐されている三人ですが、ベラルーシ在住のナターリヤ・アルロフスカヤ。アメリカ在住
のアレックス・ジョーンズ。ドイツ在住でインデックス魔法魔術大学学長王耀の三人です。」
「A・ジョーンズの件については聞いておる。何でも、魔法道具を勝手にマグルに売ったとかで_
_」
「嘘です。我々"不死鳥の騎士団"が手出し出来ないようにする為の人質です。」
「う〜む・・・だからと言って、大臣の儂が勝手に許可を出すわけにもいかんしのぉ・・・」
「何故です!?」
今度はロディが叫んだ。
「令状は基本的に魔法警察部隊隊長からの要請で出すもの。今ここで"例外"を認めれば、次々と魔
法警察を通さずに訴える者が現れる。そうなれば、また新しい法律を作ってその"例外"について規
定を明示せねばならぬし・・・」
「ならそうすればいいじゃないですか!何を面倒臭がってるのですか!」
「年とってしんどいからっていうのは言い訳にならねぇぞ!」
Aとアーサーの指摘に、思わず言葉に詰まってしまうアドリアン。
と、それまで沈黙を守っていたリリーが口を開いた。
「大臣、貴方ブラギンスキから賄賂を受け取ってますよね?」
「な・・・!」
「これが、証拠のお写真です。」
部屋の隅にあった小さいテーブルを引きずって来て、その上に何枚かの写真を広げる。さながら火
曜サスペンスのようだ。
「何故受け取っているのですか?貴方は不正に関してはとても厳格な性格で有名でしょう?」
「・・・・・・」
「答えてくれよ大臣時間がねぇんだ!」
ギルが急かす。全員の刺すような視線がアドリアンに集中している。やがて、おもむろに話し始め
た。
「・・・息子がの、借金をしておるのじゃ。しかも借りた相手が性質の悪いジプシーでな、とんで
もない利子を吹っ掛けてくるのじゃ。それの返済を手伝うのに毎月仕送りをしておるのじゃが、給
料だけではとても足りんのじゃよ。返済出来なければ訴えられるし・・・」
「それで、受け取っているのですね?」
降伏すると言うように、老いた大臣は両手を挙げた。
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Freiheit@Ernst - 完結おめでとうございます!すごく面白かったです。水滸伝私も大好きなので楽しみにしてます!ウズウズ (2014年9月20日 15時) (レス) id: 0dd1897602 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - レリゴー!さん» 喜んでいただけて良かったです。こちらこそリクエストありがとうございます! (2014年8月26日 15時) (携帯から) (レス) id: 40a6f8a3a7 (このIDを非表示/違反報告)
レリゴー! - カオリさん、イラスト拝見しました!皆かわいくて、これであれこれ想像するともうニヨニヨが止まらない・・・!!ありがとうございました! (2014年8月26日 9時) (レス) id: 9c6a128fd2 (このIDを非表示/違反報告)
Freiheit@Ernst - 続編おめでとうございます!新キャラ続出でとても楽しみです! (2014年8月24日 22時) (レス) id: 0dd1897602 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 続編おめでとうございます!あと、イラスト描けましたよ♪ (2014年8月24日 20時) (レス) id: 21e1ae6953 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レリゴー! | 作成日時:2014年8月23日 11時