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「いらっしゃいませー！」
太陽が空にさんさんと輝く時間、
それが店(うち)の一番忙しい時間。
大通りに建つこの甘味処は、昔から有難いことにかなりの人気を誇っている。
主婦が買い物のついでに家族へのお土産として。
仕事の休憩時間に息抜きとして。
散歩がてらに。
色んな理由があるけれど、店に入ってくれるお客様はみんな笑顔になってくれる。
それが、やりがいってもの。
だから、こうして慌ただしく店内を駆け回るのも慣れっ子。
次から次へと響く注文と、完成した菓子や茶を運ぶ足音。
それから、お客様の楽しげな声。
それが不思議と働く気を高めていく。
この店一番の人気は婆ちゃんの特製三色団子。
それとあつーいお茶がよく合う。
お皿に残る串と空になった湯呑みをお盆に乗せ回収していく。
早く洗い場に持っていかなきゃ、次のお客様にお渡しできないから、って、母さんに口を酸っぱくして言われたもの。
からん、ころん。
渡しの少し高い下駄が鳴り響く。
この軽やかな音が気に入って、誕生日に着物と一緒に買ってもらった。
鼻緒も鮮やかな花柄で、お気に入り。
これならやる気もでる。
お客様にも素敵な下駄ねって褒めて貰える。
この下駄は魔法の下駄なんだ。
大切な、大切な宝物。
宝物、だった。
＿＿＿＿＿ブツッ、
「＿あっ、」
派手に転んだのは、店先の腰掛けの前。
運良くお皿とかは持っていなかったけど、けど。
その代わりに、私の宝物が。
「…鼻緒、切れちゃってる……」
数歩下がった辺りに無惨に転がっている下駄は、鼻緒が切れていた。
確かに、もう数年使っていた。
それでも、大切に使っていたものだから、
ひどく、悲しくて。
こんなことで泣いてちゃいけない。
仕事しなきゃ。
って、分かってるんだけど。
それでも、やっぱり、
悲しくて。
涙が一粒、頬に滑り落ちそうになったとき。
「ふは、すんげぇ転び方したやん」
嘲笑う声と共に、綺麗に磨かれた革で繕われた靴が見えた。
革靴、だっけ。
悲しさでそんなことしか考えられなかった私は、
今、どんな人に笑われたのかなんて、
考えもしなかった。
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雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください！！ (2019年7月28日 11時) (
レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
関西風しらすぅ@坂田家 - うわ…すご…2話しかないのに続き気になる構成に出来るの凄い…オリフラはずし忘れてたのに9.5点まで復活出来るの凄い…すき… (2019年7月3日 17時) (レス) id: f34e486c2f (このIDを非表示/違反報告)
栗鼠ラ02 - 続きスッゴい気になります!!更新頑張ってください。 (2019年6月21日 6時) (携帯から) (レス) id: d686199489 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年6月18日 18時) (レス) id: 56ee9ec4e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：織 | 作成日時：2019年6月18日 18時
