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惜別の.9 【tngr】 ページ9

ーーー

*grside

「じゃあ二人。入っていいぞ」

そう言うと先生は職員室へ入り、自分の机へと向かう

(おいトン氏!お前なんかしたのか?)

(こっちの台詞や!というか、なんで二人なん?)

(知るか!でも…少し嫌な予感がするんだが…)

(あんたもですか…こっちも二人呼ばれてるあたり嫌な予感しかせぇへんよ…)

トントンとぼそぼそと会話をしていると先生はドスンと椅子に座り、
深く息をつく

「……先程、病院から電話が来た」

「「はぁ?!!」」

思わずトントンと息をそろえてしまった

「ど、どういうことですか?用件は?!」

トントンはらしくもなく取り乱している
当然だろう。俺も冷静を装っているが内心は冷や汗だらだらだ

「落ち着いて聞け。病院の先生から聞いたんだが、お前らの母親、Aさんは心疾患があったらしい」

「そんなこと…母さんは一度も……」

「電話があった、ってことは…義母さんは?今義母さんはどういう状態なんですか?!」

「今は、意識不明の状態だそうだ…」

絶句する。
だって母さんは昨日も、今日の朝も、元気に俺たちを送り出してくれた。
そんな母さんが意識不明だと?

「は、はは…悪い冗談ですね先生…そんなんじゃ笑えませんよ…なぁ、トントン?」

声が震える。
俺は縋る様にトントンの学生服の裾を掴んだ

「ほんまに…夢やったら醒めてくれって感じですわ。でも…」

トントンは俺の左手を握り、続ける

「冗談でも夢でもない。俺らがちゃんと前見なあかんのや」

「その通りだ。今日はお前らの早退を許可する。」

先生は一枚の紙を取り出し、続ける

「ここが病院の住所だ、早く行ってやれ」

そう言って住所の書かれた紙を俺に渡し、先生は机の方へ椅子を向けた

「ありがとうございます」

トントンがそう言って深く礼をしたので俺も続けて礼をする

「おう」

先生はそれだけ言ってこちらを向かずに手をひらひらと振った

行かなくては、母さんのもとへ

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ルカルカ113(プロフ) - ココアさん» 丁寧なコメントありがとうございます!読者様のお言葉が励みになります。こういうところがよかった!悪かった!などお気軽にコメントしてくださるとうれしいです(*'▽') (2019年6月11日 1時) (レス) id: e202de0e6b (このIDを非表示/違反報告)
ココア(プロフ) - いつも作品読ませていただいてます。やはりルカルカ様の作品は面白いです。更新頑張って下さい。応援しております。 (2019年6月10日 21時) (レス) id: 6d6d59ac82 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2019年6月9日 14時

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