気紛れ更新の短編集【七つの大罪】

【アーサー】眠り王子 現パロ ページ6

ｳﾄｳﾄ

柔らかく、暖かい日差しが心地良い午後の授業

窓際に座る彼はとうに夢の中にいる。

その整った顔立ちに可愛らしいアホ毛を揺らしている

オレンジ色の髪が日に照らされてキラキラと輝いていて、とても眩しい。

今は教師が不在で自習時間になり、怒る人もいないため寝ている人も少なくはない。

けれども、彼は毎日、毎回のように居眠りをしている。


その為、彼は勉強についていけない。

だから僕が毎回、放課後に勉強を教えている。



だけど今日は教師がいない。

僕は前々からやりたかった行動に出ようと思う。


前の席の男子からペンを借りて、いざ、








｢...A酷い｣


ムッスー

と彼は頬を膨らませて怒っている。

理由は僕たちが彼の顔に落書きして、それを写真におさめたから。



放課後になってもまだ彼は怒っていて

勉強もしないので僕はご機嫌取りのためにジュースを買って教室に戻る。



ｽｰ...ｽｰ...



そこには寝たりないのか、疲れたのか眠っている彼がいて


近付いても気付かず、頬をつついても起きず、



そういえば、


とゴウセルが本の真似をしていたことを思い出した。



運命の人の口付けで相手が目覚める、と




僕は、静かに彼の頬に唇をつけた。



『...好きだよ、アーサー...』



呟いては僕は自分のしたことが恥ずかしくなり

このモヤモヤをぶつけるべく、


そして余計な知識を僕に入れたゴウセルに文句を言うべく


教室を飛び出した。








｢...ゴウセルさんがしていたのは、王子が姫にするものだよ...｣




顔を赤くして、彼女が触れた頬を撫でると熱が蘇るようだった。









『ゴウセルのばかーーーーーーっ！！』

｢ばかと言いながら抱き着いてくるのかお前は｣


『顔見せたくない』


｢そういうものなのか。...ところで、オレンジ頭の奴がアホ毛というものをしおらしているぞ｣





『えっ？！』

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