【バン】つかまれたのは腹か心か ページ5
ギュルルルルル...
お腹の虫が泣いている。
お腹がすいたと泣いている。
もう何日まともに食べていないだろうか、
大罪人になってから僕の手配書は回らずとも聖騎士たちからは警戒されている。
僕が七つの大罪に手を貸したらヤバイから。
僕が聖騎士長について、語ると都合が悪いから。
そんなこんなで隠れながら逃げているからまともに食事がとれない。
食べなくても死なないのだが、やはりお腹がすいては力が出ない。
神器は食べられないし、かと言って狩りをして自分で作るのも面倒くさい。
気の根元に座り込んで休んでいたら寝てしまっていたようだ。
あたりが暗くなって丘の上に微かに光が見えた。
あそこなら、聖騎士は来ないかもしれない。
重たい腰を上げて僕は光に向かって歩き出した。
カランカラン
心地よい音を鳴らして扉を開けると中ではもう閉める準備をしていた。
『...もう、閉まるのか』
僕がそう言うと金髪チビ坊がわりぃな!って
言うと同時に僕の腹の虫がなく。
『...』
真っ赤になる僕とキョトンとしている一同、
「なんだぁ〜腹すいてるのかぁ♪」
赤い服の首に傷のある男が僕に言うや否や
「ほらよっ♪」
美味しそうなオムライスを差し出してくれた。
僕が男を見上げると食え、と笑ってスプーンも差し出してくれた。
一口、口に含むとトロトロの卵が口に広がってとても美味しい。
夢中で食べる僕に他の人は呆気にとられているようだった。
『...ごちそうさまでした』
僕がそう言い男を見上げると男は
「いい食べっぷりだな♪」
と僕の頭を空になった皿を片付けてくれて、
女の子が、男の胃袋をつかめ、とか言うけど
つかまれたのは女の僕のようだ。
「そんじゃ、お題は働いて返せよっ♪」
『え、お金ある...』
『いらっしゃいませー!』
豚の帽子亭の服を着て僕は酒をあちこちに持ってったり注文を聞いたり、忙しい日々を過ごして
「A、ほらよっ♪」
バンが作ってくれる賄いを食べて過ごしている。
『美味しいっ!』
つかまれたのは腹だけじゃなく
心もつかまれてしまったと感じるのはそう遠くない日...
Fin.
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流羽華 - リクエストさせていただきます。グロキシニアの小説を作っていただきたいです。お願いいたします! (2020年2月25日 0時) (レス) id: d65fab3ca9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - キャーーッ!!!もう、最高です!これからもずーーーーっと応援しますね! (2015年4月6日 14時) (レス) id: 1c7e5de6c1 (このIDを非表示/違反報告)
×涙奈×(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございますっ!!*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*リクエストもありがとうございますっ!!頑張って書くのでこれからも読んで下さると嬉しいです(●´ω`●) (2015年4月5日 18時) (レス) id: 347d90093b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - とっても面白いです!!文才ありまくりじゃないですか!あと、リクでメリオダスで床ドンからのディープキスでお願いします(>∀<)/ (2015年4月5日 18時) (レス) id: 1c7e5de6c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:×涙奈× | 作成日時:2015年4月3日 13時