You side ページ4
訓練終わり、入隊した頃からの付き合いの、葛城美桜と二人、廊下を歩いていた。
「ほんっっっとうにっ!川影教官厳し過ぎるってっっ。」
私は今日も散々に扱かれ足も腕輪も心もボロボロ。
嫌われてるんじゃないかと錯覚するほどに厳しい。
川影教官の脳みそに手加減と思いやりという言葉はきっとないことと思う。
そんなげんなりしている私の隣で葛城は、
「あら、この訓練の方が楽だったと思う日が来るわよ。…そう遠くないうちにね。」
と、別に私の方は見ずに、手に持つノートをペラペラと捲りながら言った。
こいつの言うことはある意味侮れない。
情報屋の異名をこの隊で持つ葛城の言葉は、なんだかんだで、一つ一つが重い。
「なに、今度はどこ情…」
「A!葛城!二人とも、司令室に来い。」
私の言葉に別の声と言葉が被さる。
葛城と二人、廊下の後ろを振り返れば、
「か、川影教官…?私、ナニカシマシタカ……?」
緊張で後半の言葉がカタコトになる。
「見りゃ分かるだろ。…あと、何か思い当たることでもしたのか?」
冷静になれない私と反対に、冷静なツッコミを入れてくる川影教官。
「分かりました。荷物があるのでそれを置いたらAと司令室に向かいます。」
このカオス的状況を打ち破ったのは、他でもない葛城だった。
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作者名:藍琉 | 作者ホームページ:http://.uranai.riane.jarrck
作成日時:2022年1月9日 17時