一ヶ月前の翔北。 ページ4
白石サイド
一ヶ月前のあの日、Aに異変があったかと言われれば、あれがそうだったのかもしれない。
朝、いつも通りに来た彼女。
けれど、顔色があんまり良くないし、少しふらついてる様に見えた。私は、
白「おはよ、A。何かふらついてるけど、大丈夫??」
と聞いた。しかし彼女は、
「めぐちゃん、おはよ。ふらついてる?気のせいじゃん笑?大丈夫だよ。」
と、笑い返すだけだった。
あそこで止めていたら、こんな事には、ならなかったのかもしれない。
その日は私と藤川先生がヘリに乗る日で、その日も早々に呼ばれた。
いつも通り、
「こっちも準備して待ってる。気をつけて。」
って、Aは言ってくれて、私たちは行った。
その日一例目の患者は、助かるかどうかの瀬戸際…のような患者だった。
諦めるわけじゃないけれど、助けられる自信はなかった。
それでも隣で頑張っていたAだけは、
「絶対助けるよ!うちらが信じなくてどーする!?そんなん考えてる暇ないでしょ?」
と、言い私や藤川先生、それに名取先生たちに笑いかけた。
どうして貴方はこんなにも強いの?
後々分かったけれど、それは貴方の持つ意地とプライドだったなんてまだこの時は知る由もなかった。
まだドクターになったばかりの名取先生たちに指示を出すA。
その背中が頼もしく見えて、私たちの中にある当たり前だった。
治療が終わり、なんとか一命をとりとめた患者さん。
みんながほっとして医局に戻る。
私は戻ったのが遅くて、医局に戻ればみんないた。
藤川「にしても、よくやったよなぁA!正直お前がいなかったらどうなってたかと…。」
と、言う藤川先生。
なんだかんだで、Aの事私なんかよりも大好きだもんね。
A「そんな事ないよ!みんなの連携プレーがあったから助けられたの。私だけじゃないわ。それに若手ドクターたちもテキパキ動ける様になってきてて、良い傾向だよね。」
と、笑うA。
その顔を見て私は驚いた。
顔面蒼白とはまさにこの事かと思うほどの顔色の悪さ。
よく見れば、呼吸も浅く、肩で呼吸してるような感じ。
まずい。
そう思って咄嗟にAに駆け寄ろうとした。
その時。
A「だ…め…ッ!」
と、言うと同時に、
ガボッ!っと言う音と共に、
私たちの…私の目の前でAが血を吐いて倒れた。
あっという間に床に広がる血の海。
まるで、悪夢を見ているかのようだった。
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藍沢先生が好きな人 - 山P大好きで学校で山P山Pって先生に苦笑いされました。(笑 (2020年9月26日 10時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
藍沢先生が好きな人 - 私生意気な14歳 (2020年9月26日 10時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 藍沢先生が好きな人さん» 返信遅くなりすみません!嬉しいお言葉、私には持ったいないくらいです。ありがとうございます!!! (2020年9月26日 6時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
藍沢先生が好きな人 - 頑張ってください。これから楽しみにしてます。 (2020年9月24日 23時) (レス) id: 101530242c (このIDを非表示/違反報告)
哀羅(プロフ) - 赤兎さん» 赤兎さん、早速コメントありがとうございます!そうですよね…!バッドエンドだからこそ、本当はもっとこうだったのにー!とか思い浮かびます。ご意見ありがとうございます! (2020年9月23日 11時) (レス) id: 11aacecd07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍琉 | 作者ホームページ:http://.uranai.riane.jarrck
作成日時:2020年9月16日 22時