Nectar (ページ7)

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□ テンページ7

テン

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次に目が覚めた時には

知らない女の子が目を丸くしながら僕を見下ろしていて

月光と彼女の姿が重なって、まるで大きなひとつの光のように見えた。

彼女が差し出してくれたティッシュとハンカチを受け取って、

血が滲み出ている部分をそっと拭き取っていく。

TN「っ、痛、」

『 ……大丈夫ですか？』

僕を見つけてくれたその子は、すごく優しい子だった。

こんな傷だらけの醜い男が倒れてたら

誰でも怖がって逃げちゃうはずなのに。

『ごめんなさい……絆創膏とか持ってれば良かったんですけど』

TN「そんなの要らないよ。助けてくれただけでも嬉しい」

目を見て彼女に伝えると、

少し恥ずかしそうに顔を下に向けた。

……可愛い。照れてるの？

思わずポロッと口に出ちゃいそうなくらい。

TN「君、帰らなくていいの？」

『っぁ…、心配なので』

TN「僕が死なないか心配ってこと？」

『はい、』

TN「死なないよぉ、この程度で死ぬような男じゃないからね」

……久しぶりだった。

こんなに誰かの優しさに触れたのは。

理不尽に暴力を振るわれた後だから尚更

彼女の優しさが、僕の心を溶かしていく

『 …か、帰った方がいいですか……？』

帰らないで、って言ったら

きっと君のこと困らせちゃうかな。

．