その涙を見ない為に (5) ページ25
「あれは何してんだ？」
「緑竜のA。 あの子はナツが火を食べるように、植物を食べて回復することができる。」
「そして、植物が光合成をするように太陽の光からエネルギーを得ることもできるのさ。」
カナとロキの説明に、他のメンバーはすげぇ。と口々に感心する。
手を広げ天を見上げるAに光が集まり、髪がふわりと揺れる。
「男ども！！ Aに気をとられてると幽兵にやられるよ！」
カナの言葉に見とれていた者は気を引き締める。触れられるだけで命の力を吸い取る幽兵の前では気を緩むことは許されない。
『ふぅ…。食ったら力が湧いてきた！』
ナツの真似をして、ニッと笑いながら決めゼリフを言えば、みんなに待ってたぜ！と笑われる
『緑竜の咆哮！！！』
幽兵に向かって咆哮を打ち込めば、近くにいた半数が一気に消える。
「さすがA！！」
「でも、復活するんじゃきりがないな……」
全く減らない復活する幽兵たちに、私達はどんどん魔力を使い疲れていく。これじゃあ勝てるわけがない。
それにジュピターの装填は着実に進んでいる。幽兵と戦っている最中でも、砲台の先に膨大なエネルギーが溜まってきているのが確認できた。
『もう、どうしたら……』
「何やってるんだ、ナツ達は！」
あれから15分が過ぎようとしている。ナツ達を信じていないわけではないが、さすがにここまでくると最悪の未来を想像してしまう。
魔力を温存して、また壁を作るべきか
そして、ぴったり、15分。
ドガァァン！！と、音を立て。
ジュピターが発射される直前、砲台は、崩れ落ちた。
『やった！！ ナツ達が破壊したんだよ！』
「よし！ このまま一気に盛り返すよ！！」
勝機が見え、俄然活気づく妖精の尻尾一同。
しかし、現実はそう甘いものではなかった
続く (更新停止中)
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作者名：セイ | 作成日時：2019年4月16日 22時
