◇第二百四十七章◇ ページ5
万事屋に居候し始めてから、早三ヶ月が経った。
本当に仕事量は少なく、私が来てから来た依頼は五件行ったかどうかくらいだった。
貴方「ご飯、質素だね」
銀時「文句言うんじゃありません。うちの家計は火の車なんです」
そんな他愛ない会話ばかりしている。
何だかんだ文句一つ言わず私を匿ってくれて、家事もしてくれるこの人が、勝手かもしれないけど私には必要で、好きを認めるまでにそれほど時間は要らなかった。
何もしてない自分が恥ずかしくて、でも私のために色々考えてくれるこの人が、愛おしくて仕方がない。
銀時「……何、めっちゃ見てくるじゃん。やめてよさすがに恥ずかしい」
貴方「銀時、可愛いね」
銀時「やめてってば!!」
貴方「照れてるのも可愛い」
うう、と顔を手で隠す。
好き。大好き。今すぐ押し倒して、私以外のことを考えられないくらいめちゃくちゃにしたい。
貴方「ねぇ、銀時」
銀時「な、何だよ……」
おずおずと、まだ赤い顔を私に向ける。
産まれてから今まで、こんなに誰かを必要としたことは無い。
今も昔も、この人だけ。私には、この人が必要。この人だけが欲しい。
貴方「好きです」
そう言うと、彼は数秒目を見開いたまま固まってしまった。
銀時「な、何だよ!やめろよ、オッサンにそういう冗談は言っちゃ駄目、」
貴方「違うよ」
抑えられない。
すっかり冷めてしまったご飯を他所に、銀時の座っているソファの横に立つと、そのまま少し荒めに押し倒した。
銀時「へ、は?え?何して……」
貴方「気付かなかった?ずっと、ずっとこうしたかったんだよ」
銀時「いや、いやいやいやおかしいおかしい!!俺のどこにそんな要素あった!?!?」
貴方「んー、あり過ぎて分かんないや」
こんなチャンス、みすみす逃してたまるか。
今この人は動揺して逆らうことすら出来ない。私の数倍、力はあるというのに、だ。
ギシ、というソファの軋む音とともに、小さなリップ音が部屋に響いた。
貴方「私の好きは、こういう好き。分かった?」
銀時「う、はぇ……?」
普段の彼からは想像出来ない、素っ頓狂な声が漏れる。
あぁ、可愛い。愛おしい。好きだ。
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アザラシィー - 更新待ってます。。(;∀;) (2月5日 13時) (レス) @page10 id: 1633d1d6d2 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 更新待ってます。 (11月29日 1時) (レス) @page10 id: 76125fe83b (このIDを非表示/違反報告)
maiko4444(プロフ) - 初めまして!!シリーズ面白くて一気に読んでしまいました…続きを楽しみに待ってます(*´ω`*)(占ツク初心者なので不備がありましたらご容赦ください) (7月8日 12時) (レス) @page10 id: fc040ed077 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - おかえりなさい♪続き楽しみにしてました。 (5月26日 0時) (レス) id: 03c126c95f (このIDを非表示/違反報告)
ライキ - 初めまして!夢主ちゃんの両親を○したの誰だよ‼‼早く○ねよ‼‼とか思ってたんですが、○したのが白夜叉なら話は別だぁぁぁ‼‼銀時が白夜叉だと知った夢主ちゃんはどうなるのでしょうか…更新楽しみに待ってます‼ (2022年11月6日 10時) (レス) @page4 id: c3cdfe919e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LAZU(らず) | 作成日時:2021年9月17日 1時