目を閉じて【NJ】 (ページ3)

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「A、実は大きい仕事が入ったんだ。」

明太子パスタを口一杯に頬張るそいつは、口の中のものを懸命に処理しようとする。

なんか、ハムスターみてえだな

「ゆっくり食えよ、おかわりもあんぞ」

ごっくんって音が聞こえそうに飲み込む

「何でそんなに言いにくそうなの？」

俺ってわかりやすいのかな、もしくはこいつが鋭いのかな

「・・・その仕事、展示会場がパリなんだよ。
でもお前、飛行機乗れないだろ？ていうかまず外に出れないだろ。」

一昨日にきてた仕事だってのに、こんなことが理由で言い出せなかった。

「・・失敬な。
週に一回はじいの書店に行くし、公園に散歩だって行くし、それから、えーっと、それから」

薄桃色の頬を少し膨らましながら、うんぬん悩んでるこいつを見て
やっぱりハムスターだな、と思う。

「公園に散歩なんていってるとこ見たことねえよ。Aのじいちゃんの書店は家のすぐ近くだし。外に出たことに入りません。」

うぅ、と言い返す言葉もないように俯く。

「絵はここで書けても展示会場がパリだと、行きたくても行けねえだろ？
国内展示なら俺が車乗せてってやれるけどさ。
外国となると、俺もついてけないから。」
　

何日も学校休むとガキどもがうるせえし、何より、まず休めない。