そして落ちゆく眼鏡/rt ページ16
ふぅ、と小さな溜息を吐いてから隣に座って見つめ合う形になる。
レトルトは「おつかれさま」と言って数分前までキレイにまとめられていて、やっと解放されたセミロングの髪を撫でてくれた。
「ありがと」少し照れて視線を外した。
いつもよりレトルトの顔がよく見えて恥ずかしさも倍増だった。
「ねえ」
呼びかけられて、目線を戻した。
「……キスする時、眼鏡外すやん？」
眼鏡、外すと言うよりは、私はいつも眼鏡してないじゃん、と言う前に眼鏡を外しながら迫ってきたレトルトの記憶が呼び起こされ押し黙る。
「確かに」と同調だけすることに切り替えた。
「眼鏡かけながらも、眼鏡がぶつからないようにキスしてみようのコーナーです！」
そのまま丸め込まれるのかと思っていたけど、あまりの動画寄りのレトルトが顔を出し少し驚いた。
「企画動画みたいなコーナー発表しないで」と言いつつ「笑ってんじゃん」と指摘されるほどに声を出して笑っいた。
「んー、無理じゃない？」
「挑戦しなきゃわかんないやろ？！」
テンションに押され、してみることにした。
数分後、唇に辿り着く前に何回も眼鏡がぶつかって段々イライラしてきたレトルトが突然「あかん！」と言い始めた。
私が眉を下げて「生産性低いしやめよ」と微笑みかけた瞬間、眼鏡を光の速さで取られ「？！」と次の思考が動く前に素早く唇を奪われた。
何？と言おうと考えていたのにその言葉を発すのを拒むように、深く、甘く、長いキスをされて、気付くと自然に目を瞑っていた。
唇がやっと離れたと思ったら、「眼鏡のせいで焦らされて辛抱たまらんかった、許して？」と言って困ったように笑うレトルトに、むっと唇を尖らす。
レトルトは尖らせた私の唇をそっと掴むと「そんなかわいいことしてていいのかな？」と妖しくまた顔を近付けてきた。
「もういいでしょ」と視線を逸らすと間髪入れずに「いい？」と聞いてきた。
何も言えずに黙ってると、もう一度、低めの落ち着いた声で「いい？」と脳内に直接に響くように聞かれた。
全部、許してしまうのは、惚れた弱みなのだ。
こくんと頷く他に選択肢が私の中に用意されていないのだから。
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luco(プロフ) - SNOWさん» SNOW様コメントと感想ありがとうございます！どきどき楽しんで頂けていたら嬉しいです。そして脱字のご指摘ありがとうございます！日々確認チェックしてるのですが何かと誤字や脱字が多くお恥ずかしい限りです…！ (2018年9月4日 19時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
SNOW - とてもどきどきしました！ ありがとうございます。ほんの些細なことですが、P25 牛沢さんの１２行目が見なかっ事になってます！指摘コメント失礼しました。 (2018年9月4日 16時) (レス) id: 3badbdf8e1 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 零亞さん» 零亞様、感動するお褒めの言葉の数々ありがとうございます！わたしも3人とgtmnさんが大好きなので走る筆が止まらないのです…！これからも自分のペースにはなりますが、更新していくので変わらずご愛顧頂けると嬉しいです！ (2018年9月2日 1時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
零亞(プロフ) - lucoさん» 返信ありがとうございます！私、kyさん、rtさん、uszwさんが大好きで、いつもlukoさんの神文才にドキドキしながら読ませて頂いてます！これからも応援してます！ (2018年9月1日 22時) (レス) id: f09712beba (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 零亞さん» 零亞様コメントありがとうございます！そうです！大正解です＾＾気付けて頂けて嬉しいです！も〜も〜よ〜ぐるって名前のセンスが好きなのでまた何かのタイミングで出すかもです！ (2018年9月1日 19時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2018年8月11日 15時
