赤いリボン/ky◇ ページ40
頬杖をつきながら、前の席の揺れるしっぽを眺める。
やっぱりここは特等席だな、と思う。
授業中、ノートと黒板を交互に見るだけで揺れるそのしっぽみたいなポニーテール。
「何でいつも結んでんの」
何の気なしに聞いた俺の質問に「変な寝癖がとれないし暑くなってきたから結んでるの」と少し恥ずかそうに言ってた。
けど、降ろしたとこは見たことない。
案外高めなとこで結んでるけど微妙な長さな気がする。
長くもないし短くもない。
セミロング？っつーんだっけか、そんな感じ。
……ちなみにだけど、結構好きな髪の長さだったりする。
チャイムの音が聞こえてノートを閉じる。
号令の後に前の席を見ると板写についていけてなかったのか焦りながらノートと向き合ってた。
日直がさっさと消してしまう黒板に向かって小さな声で「あ〜……」と呟く声が聞こえた。
俺は立ち上がってさっき閉じたノートを彼女の頭に乗せた。
「……？」
上目遣いで不思議そうな瞳で見つめてきた。
グッ……わざとじゃないのが、ずりーぞ。
「書くの遅っ」
ぷっと笑ってノートを差し出した。
「貸してくれるの？」
キラキラした瞳で見られて少し怯んだけど、俺はノートを引っ込めてニヤリと笑った。
やられっぱなしは性にあわない。
「貸す代わりに髪の毛降ろして」
「えっ」
嫌がるかなと思ったけど意外にも「いいよ」と普通に許諾されて拍子抜け。
つまんね、と言いそうになったところで「寝癖ついてるから降ろしたらすぐ結んでいい？」と聞いてきた。
俺の返事も聞かずリボンを解いた彼女の髪は予想よりも少し長くて、けど短くもなくて、普通に、
かわいい
けど、んなこと言えなくて「じゃ、これ」とノートを机の上に置いてから彼女の手の中にあるリボンを奪った。
「えっ、」
焦った声を出す彼女の後ろにまわり、結び直すためか、机の上に置かれていたくしで髪の毛を丁寧に梳かした。
でも、うまく結べなくてゆるゆるになる。
「やっぱ、結んでる方が可愛いかなって思ったけどうまくできなかったわ、ごめん」
顔を覗き込んで謝ると顔が真っ赤な彼女と目が合った。
「キ、キヨくん、無闇に女の子の髪の毛とか触ると勘違いするから、や、やめた方が……」
「勘違いしてんの？」
今度は涙目になった彼女の席の目前にしゃがみこんだ。
「わたしは！断じて！してま……」
「していいよ」
俺は緩く落ちてきた赤いリボンにそっと口付けた。
「俺、好きな人の髪しか触んないし？ね、Aちゃん」
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luco(プロフ) - 秋菜さん» 素敵なリクエストありがとうございます！楽しんで書かせて頂きます！ (2019年6月7日 1時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
秋菜 - lucoさん» 大丈夫です！ぜひ作って頂けたら嬉しいです！ (2019年6月6日 6時) (レス) id: 8deaf8091c (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 秋菜さん» お優しい言葉ありがとうございます；；夏祭りデート大丈夫です！学パロじゃないということはお相手はｼﾞｯｷｮｼｬということでよろしいでしょうか？ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
秋菜 - lucoさん» いえいえ！此方こそ無茶なリクエストをしてしまい申し訳有りませんっ！では、学パロではない夏祭りデート系は大丈夫ですか？ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 8deaf8091c (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 秋菜さん» 秋菜様はじめまして、コメントありがとうございます！作品お読み頂けた上にお褒めの言葉嬉しいです。リクエストは受け付けておりますが、当方パロディは学パロかアイドルパロ以外は技術が乏しく難しいです。折角リクエスト頂けたのに申し訳ございません；； (2019年6月5日 21時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2018年7月31日 10時
