どちらも僕でどちらも俺で/hr！ ページ32
放課後の教室、誰もいなくなるのを待っていたら陽が暮れかかってしまった。
最終下校時刻10分前、帰りを急かす音楽と放送が鳴り響く中、カタンと椅子から立ち上がった。
そっと廊下に駆け寄り、右、左と顔を動かし誰もいないことを確認した。
静かに後ろ手に教室のドアを閉めた。
もう、きっと、本当に誰も来ない。
部活動で残ってる生徒も帰り支度を始めて教室なんかに寄ったりしないでそのまま帰る。
「……よ、よし」
小さく呟くと自分の席を通り過ぎて2つ前にある机にトンと指を置いた。
恥ずかしいより前に背徳感に襲われるけれどこのくらい許して欲しい。
ゆっくりとその席の椅子に腰掛けて、背筋を伸ばして黒板を見遣る。
ここから見える景色でいつも彼が学校生活を満喫してる、2つ後ろのわたしの席と大きな変わりはないけれど、やっぱりその景色は少し違って見えた。
こんなことをしてるくらいだ、もちろん告白する勇気なんてない。
ヒラくんと結構仲の良いキヨくんに気付かれた時はバラされるのではないかと1週間くらい気が気じゃなかったけど、意外と口は固いみたいで「言うわけねーだろ」ってデコピンされたのも記憶に新しい。
あの時も近くにいたヒラくんが「女の子にデコピンなんてひどいなあ、大丈夫？」って聞いてくれたっけ。
「はぁ」
深く息を吐いて机に寝そべった。
起き上がったらそろそろ帰らなきゃな、と思っていたらドアの開ける音がして心臓が一気に跳ね上がり飛び起きた。
「え？……あれ？」
「あ、ヒ、ヒラくん」
最悪だ、朝の占い見るの忘れたけど絶対12位だ。
泣きそうになって焦って椅子から立ち上がるけど、もう見られてしまった現実からは逃げられない。
すたすたと早足で近付いてきたヒラくんは自分の席と目の前に立つわたしを交互に見てきた。
「あ、やっぱりここ俺の席じゃん」
ん？何となく違和感を感じて何とも言えない顔をしていると、
「あれ？気になった？一人称」
少し含み笑いしてるヒラくんと目が合った。
いつもの優しいヒラくんからは想像もつかないような色気のある瞳で見つめられドキドキが増す。
「まあ、俺はそれよりも何でAちゃんが俺の席に座ってたかって方が気になるんだけどなあ」
ドクンと心臓がまた跳ね上がった。
そりゃそうだ、何してんたんだお前はって言われたらもう言い訳なんて出来ない。
でもとてもじゃないけど、混乱と緊張してるわたしが本音なんか言える訳がない。
どちらも僕でどちらも俺で/hr！→←悪戯の準備はバッチリです/fj！
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luco(プロフ) - 秋菜さん» 素敵なリクエストありがとうございます！楽しんで書かせて頂きます！ (2019年6月7日 1時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
秋菜 - lucoさん» 大丈夫です！ぜひ作って頂けたら嬉しいです！ (2019年6月6日 6時) (レス) id: 8deaf8091c (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 秋菜さん» お優しい言葉ありがとうございます；；夏祭りデート大丈夫です！学パロじゃないということはお相手はｼﾞｯｷｮｼｬということでよろしいでしょうか？ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
秋菜 - lucoさん» いえいえ！此方こそ無茶なリクエストをしてしまい申し訳有りませんっ！では、学パロではない夏祭りデート系は大丈夫ですか？ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 8deaf8091c (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 秋菜さん» 秋菜様はじめまして、コメントありがとうございます！作品お読み頂けた上にお褒めの言葉嬉しいです。リクエストは受け付けておりますが、当方パロディは学パロかアイドルパロ以外は技術が乏しく難しいです。折角リクエスト頂けたのに申し訳ございません；； (2019年6月5日 21時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2018年7月31日 10時
