【実l況l者】これは夢ではない【rt】 (ページ3)

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睡眠不足ページ3

暫くして目が覚めた。
夕陽が沈みかけていて外でカラスの鳴く声がやけにうるさく聞こえた。
スマホの時計を確認すると18時前で「もう起きよう」と設定していたアラームを削除した。
ベッドから這い出て裸足でぺたぺたとリビングへ突き進む。
網戸にしていた為、車が走る音や、夏特有である夕方の匂いや、真っ赤に燃えるように沈んでいく陽が目に入った。
そう言えばさっき掛ってきた電話切っちゃったな、誰だったんだろう。
いやその前にも掛かってきたっけ？2回？
そう思いスマホの着信履歴を見て私は目を見開いて驚いた。

3日前を最後に誰からも電話が掛かってきてる表示がなかった。

そこで私はやっと思い出した。
これ祖父母の家の洋室で寝ていた時によく見ていた夢だ、と。
実際には夢の中で目が覚めてそれもまた夢で……と言ったことを何度も繰り返しその夢で起きたことを現実だと思い込んでしまう。

そんな夢のような夢ではないような得体の知れない何かだった。

夢遊病の一種かもと疑ったが小さい頃、私は身体が弱く寝ていた時は母や祖母がいつもいてくれた。
しかし一度も起きなかったと聞かされていた。

特段気にしていなかったのはその夢でまだ誰にも出会ったことがないのだ。
小さい頃は夢の中で起きた時に寝かしつけてくれていた母や祖母がいなくても不思議に思わなかった。
歩き回ったこともあったけど家にいるはずの父や祖父、弟や妹、犬のサンちゃんがいなくても何も変に思っていなかった。

当然と言ったらそれまでなんだけど今はひとり暮らしだし夢の中ではもちろん誰にも会わない。

しかし私は胃腸は弱いけれど偏頭痛とは無縁の体質だった。
先程のような頭痛は感じたことがなく急激な痛みが誰かから早く戻って来いと言われたような気がした。
あまりにも夢見がちだろうか。
こんなことばかり言ってるから昔から友人が片手で数えるくらいしか出来ないのだ。

はぁ～と長めの溜息を吐く。
しかし本当に久しぶりに見た。
その日は疲れてるだけだろうと自分に納得をさせ苦手な自炊に取り掛かった。

それから3日間、ものの見事に連続で例の夢を見た。
どうも夢の中の夢にいる時は＂ここが現実＂だと思ってしまう節がある。
その中で起きた事象を現実に起こっていたことだと勘違いを起こすことも増え始めた。
とりあえず今のところは現実世界の人に迷惑はかけていないがよく眠れていなくて睡眠不足を感じ始めていた。