似たものカップル/fj ページ20
俺の彼女は嫉妬しない。
こう言うと語弊があるし、してるのはわかってる。
正確に言えば嫉妬してるのを俺にバレたくないから不器用ながらに隠しているの方がわかりやすいかな?
まあ、そんなもの彼氏のフジさんにはお見通しなんですけどね?
だから出来ることならその気持ちを暴いて抱きしめて俺のありったけの愛で嫉妬の心を満たしてあげようと彼氏力が高い俺は閃いた訳ですよ。
ここで使う武器は「フジせんぱ〜い♡」と
この子らは応援団が一緒で顔見知りだった。
何も彼女らは俺のファンではない。
女子は色恋だけでチョコレートを作る訳じゃない。
友チョコ、日頃お世話になってる御礼など、様々な理由でチョコを渡す。
だからこれは応援団ではお世話になりました礼のチョコである。
遡ること1週間前、部室前で何を作るか話をしていた彼女達を見つけて「俺にも頂戴よ」と強請った訳だけどこんなにタイミング良く来るなんてちょっと予想外です?!
頂戴と言った手前、受け取らない訳にはいかなく、受け取ったからには御礼を言わない訳にはいかなく、ひらひらと手を振られれば振らない訳にはいかなく、結果下されたのは胸への拳一発ストレートで「フジくんのバカ〜!!」と泣き叫んで廊下を猛ダッシュをキメる彼女を「俺が愛してるのはAだけだよ?!」と公衆の面前で大告白をキメて追い掛ける運びとなりました。
想定外の反応に、にやける口元が収まらない。
逃げ込んだのは屋上前の踊り場で目の下を真っ赤にしたAにニコニコ笑顔で「嫉妬した?」と首を傾げてみた。
「そりゃ彼氏が他の女の子からのチョコを嬉しそうに貰うの見たら誰だって……」
やけに素直で拍子抜けしてしまった。
あはは、と笑いしゃがみ込んでいたAの前にぺたりと座り込んだ。
不思議そうに俺を見ているけど本当に気付いていないのか……ならば大成功なんだけど。
そう俺もAと一緒で強い嫉妬はひた隠しにする。
さっきのキヨへの嫉妬みたいなやつはお遊びみたいなもんだ。
Aが嫉妬してくれてるのはわかるけど、態度に出ないからどれくらいの強度の嫉妬なのかは正直なところわからない。
だからどうしても俺ばかりがAのこと好きなのかと、不安に思うことも多々あった。
「返してくるよ、俺はね……」
Aが手に持つ白い袋を優しく奪い取る。
知ってるから、その袋の中にある紫色のリボンがかけられた箱。
「これだけでじゅーぶん!」
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luco(プロフ) - パンださん» パンだ様、コメントありがとうございます!読者様の楽しみになれて嬉しいです。今後もマイペースになりますが頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2021年3月30日 2時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
パンだ - めちゃくちゃ面白くて楽しませて貰ってます!更新頑張って下さい! (2021年3月28日 23時) (レス) id: 0ce8abb0bc (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - ららさん» らら様、コメントありがとうございます!lucoを知って頂いた上に全作品お読み頂けて嬉しいしかないです!微微調整しながら今後もマイペースに更新していくのでこれからもよろしくお願いします\(^^)/ (2020年2月23日 1時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
らら - 最近、lucoさんの事を知って今めちゃめちゃハマってます、!!lucoさんが書かれた作品全部読ませて頂きました!!きゅんきゅんして幸せです!笑 これからも頑張ってください!応援してます!! (2020年2月23日 1時) (レス) id: 55f78e88a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:luco | 作成日時:2020年2月11日 1時