赤いイナズマ/ky ページ7
「夏休み中の誕生日って皆にお祝いされないから嫌じゃない？」
そんな話を聞いてそれでもその夏休み中の誕生日に好きな人や彼氏からお祝いされるのであれば学校に来る��ついで��じゃないから羨ましいと言うのが私の本音だ。
そう言うといつも「Aって夢見がち、王子様みたいな人が彼氏じゃないと満足出来ないかもね」なんてバカにされたりする。
もうまたバカにしてと少し拗ねると彼氏力が高い友人の海(かい)ちゃんはいつも「可愛いってことだよ」と言ってくれるのだ。
海ちゃんこそがその王子様だから彼氏なんていらないかな、なんて中学生の時のウブな自分は思っていた。
「あ！清川先輩！1月30日は何の日でしょーか！」
襟足の赤い後ろ姿を目敏く見つけた私は体育の通信簿2以上取ったことないなんて嘘だろ？！みたいな速度でその後ろ姿を追い掛けた。
「まーた、お前かよ、自分のクラス帰れ」
私の顔も見ずに声だけで私を認識してくれるなんてと舞い上がった私はシッシッと言わんばかりにひらひらと振られた片手を両手で掴んだ。
「声だけで私だってわかるって脈アリですか？」
「なしだけど」
眉を顰めながらもやっとこっちを見てくれた清川先輩は今日もかっこよくて世界で1番王子様だった。
「A、お前その今にも溶けそうな顔をやめろ」
「だって清川先輩ってば今日も誰よりも王子様だから……」
いつも邪険にされるから真正面から顔面を拝むには少しばかり刺激が強くて緩む頬が直らず上昇した体温で真冬だと言うのに汗さえ吹き出そうだ。
両頬を両手で包んでいるとおでこをコツンと叩かれ見上げると「質問に答えてやるから今日はもう来んな」と言った清川先輩はもう片方の手の甲で口元を隠していた。
遂に……！？やっと正解言い当ててくれるの？！
ありとあらゆる方法で5億回ほど質問してきた1月30日のスペシャルイベントを？！
「木曜日だ、ハイ、解散」
キラキラ瞳は一瞬に消え失せ「うっす」と返事をして拗ねたように口を尖らすとちょっとだけ笑ってくれた清川先輩は「変な顔、授業サボんなよ」と言って3年の教室棟へ歩いて行ってしまった。
「また明日来ますね！」
背中に呼びかけると振り返ることはなかったけど右手だけを大きく振ってくれた。
「清川先輩って外部生でしょ？」
近くで見ていたらしい海ちゃんが近くの中庭から急に出てきた。
私(海ちゃんも)は中学からのエスカレーター式で高校へ進学した。
もちろん高校からの外部生も少なからずはいる。
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luco(プロフ) - パンださん» パンだ様、コメントありがとうございます！読者様の楽しみになれて嬉しいです。今後もマイペースになりますが頑張りますのでこれからもよろしくお願いします！ (2021年3月30日 2時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
パンだ - めちゃくちゃ面白くて楽しませて貰ってます！更新頑張って下さい！ (2021年3月28日 23時) (レス) id: 0ce8abb0bc (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - ららさん» らら様、コメントありがとうございます！lucoを知って頂いた上に全作品お読み頂けて嬉しいしかないです！微微調整しながら今後もマイペースに更新していくのでこれからもよろしくお願いします＼(^^)／ (2020年2月23日 1時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
らら - 最近、lucoさんの事を知って今めちゃめちゃハマってます、！！lucoさんが書かれた作品全部読ませて頂きました！！きゅんきゅんして幸せです！笑 これからも頑張ってください！応援してます！！ (2020年2月23日 1時) (レス) id: 55f78e88a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2020年2月11日 1時
