I'm a エンターテイナー ページ6
両手で親指と人差し指で拳銃型を模したキヨくんはそれで四角を作って目元に持っていった。
「フラッシュで写真撮られてるから」
開いた口が塞がらなかった。
撮られた事実よりも全然気付かなかった自分の危機管理能力の低さに絶望した。
「あいつはレトさんと付き合ってるって勘違いしてっかもしんねえから……」
そこまで言い掛けるとココアの入ったマグカップを持ち上げてひと口飲むとわざとらしくニコッと笑いかけてきた。
「彼氏いんの？」
流れてる空気が急に重苦しくなった。
レトさんを見るとわざとらしく視線を外して小さな溜息を吐いていた。
「彼氏なんていませんよ……」
「知ってる」
本日初対面の人が知ってるわけないしとてもバカにされてる感じがしてむっとした顔でキヨくんを見ると徐ろに立ち上がったキヨくんはわたしの隣に移動してきたかと思ったら手を差し伸べてきた。
「俺が恋人の振りしてやるから感謝しろ」
「は、はぁ……って……えっ？！」
目を丸くしてキヨくんを見上げると無理矢理に腕を掴まれて立たされた。
「お姉さんは知ってるかもしれないけど俺はエンターテイナーだから？」
得意気な顔をしたキヨくんをよそにレトさんはふあぁと欠伸をし始めた。
おいちょっと待てコラ！その前にこれはレトさんが害悪なストーカーを野放しにしてるから引き起こった事件でしょ？！
なに、欠伸かましてんだ！
「夢みせてあげることもできるわけよ」
演説してるキヨくんはふふんと鼻を鳴らして腕から手を離したかと思えばするりと指先に自分の指先を絡めてきた。
戸惑いしかなくてその指先を見てからキヨくんを見ると視線も絡め取られて身動き出来なければ視線を逸らすことも許されなかった。
「さぁ、どんなオレに夢みてる？」
……キヨくんに夢なんて見ていない。
有名で人気のある人だと言うことは理解しているけれどわたしにとってはただの疲れを癒してくれる動画を見せてくれている人だ。
ただ、わたしだって伊達に年齢を重ねた訳じゃない。
人に気遣えることくらい出来る。
「えっと、いつものキヨ……さんでいいですよ？」
にへらと笑った顔もおまけでつける。
ぶはっと吹き出した声の方に顔を向けるとレトさんが笑い転げていた。
「気遣われてるやんけ」
笑い続けてるレトさんになぜかこっちが恥ずかしくなってきて泣きそうになる。
顔も熱い。
俯いていたらそっと耳を触られてその手を辿って視線をあげた。
「初めての恋人だから優しくしてあげんね？」
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なみの - えっ！？返信ありがとうございます・・過去作なので返して頂けるとは思ってませんでした。 (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - なみのさん» コメントありがとうございます。ヤンデレと言うより情緒不安定なだけのメンヘラになっちゃったような気もするのですが…エモ感じて頂けて何よりです！ (11月2日 8時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - ヤンデレキヨさん最高でした。エモ過ぎて泣いちゃった・・・ (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 末永くお幸せにいいいいいいい((殴 (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» コメント通知が死んでいて気付かずレスがかなり遅くなり申し訳ありません。感想コメントとても嬉しかったです。後半ネタばらしは最初から決めていたのですが私も書いてて楽しかったです。私がメンヘラヨさんを書くにあたって気にした点を全て気付いてくださり嬉しいです (2022年10月2日 22時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年10月14日 7時
