dal segno（ダルセーニョ） ページ37
「キヨくんが言うと冗談に聞こえなくて心臓に悪い」
「冗談で言ってねえもん」
何を今更みたいな顔で見られた。
話を聞く前から思ってたし言葉で反論してきたけれど、どうしてこの人は「好き」と言う気持ちがすぐに「死」に直結してしまうのだろう。
過去にトラウマか何かあったのだろうか、特に踏み出して自分から傷付きにいくのは趣味ではないから自ら聞こうと言う気持ちはないけれど。
と言うかわたしがした質問に対してまたはぐらかされた……いや、違うか、脱線して聞きたい答えが返ってきていない。
レトさんとやってる全身ラジオでもそうだけどキヨくん単体でも話が脱線するんだ、と思うといつも見てる動画のキヨくんも全てガチガチに造り上げられたら存在ではなく素の部分も混ざりあってると言うのが見聞ではなく体感でわかるのは嬉しい。
「ところで聞きたい質問の答え返ってきてないんだけど」
「そうだね、ところでAは今の俺がしてきた行動で疑問を持つことないの？」
一瞬「ん？」と声が漏れてしまうほど謎に満ちた質問で返された。
疑問？
いや、疑問だらけでしょう、あんなの。
あなたのことストーカーしてました、ストーカーついでに恋人の振りしてましたって他の誰でもない張本人から聞かされて寧ろ疑問じゃないことの方が探すの楽だよ？
「順を追ってよく考えて」
順を追う、まず
「たまたま見つけて好きになる子ストーカーしてたらいつか逮捕されると思わね？」
思う、キヨくんの好きになると言う彼の中でのラインはわからないけどそんなに常習してたら既に捕まってるだろう。
「
「そう、でも教えるのはそこまで」
そう言って人差し指を口元にあてたキヨくんは今度は楽しそうに……でも少し慈愛の入った瞳をしていた。
「Aを好きになった経緯なんてAにとっては些細なこと、どうでもいいこと、だからこの気持ちは俺だけのもの」
確かに好きになった人に告白する時、こうこうこうだから好きです、だから付き合って欲しいなんて言う人少ないはずだ、告白したことないからわからないけど。
「わかりました」
「……で？大好きな俺と死ぬ決心はついた？」
結局どう転んでもそのは質問に戻るんだとキヨくんにバレないように落胆の意味合いを込めた息を吐くと近付いてきたキヨくんは優しく触れるか触れないかの距離でわたしの肩をそっと触った。
きみに教える必要のない事実-1-→←揶揄ではないとわかるから
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 433人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なみの - えっ！？返信ありがとうございます・・過去作なので返して頂けるとは思ってませんでした。 (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - なみのさん» コメントありがとうございます。ヤンデレと言うより情緒不安定なだけのメンヘラになっちゃったような気もするのですが…エモ感じて頂けて何よりです！ (11月2日 8時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - ヤンデレキヨさん最高でした。エモ過ぎて泣いちゃった・・・ (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 末永くお幸せにいいいいいいい((殴 (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» コメント通知が死んでいて気付かずレスがかなり遅くなり申し訳ありません。感想コメントとても嬉しかったです。後半ネタばらしは最初から決めていたのですが私も書いてて楽しかったです。私がメンヘラヨさんを書くにあたって気にした点を全て気付いてくださり嬉しいです (2022年10月2日 22時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：luco
| 作成日時：2019年10月14日 7時
