心配性な恋人(仮) ページ11
感謝の意味で伝えたはずなのに何とも言えない空気になってしまい笑って誤魔化そうと思ったのにキヨくんの顔を見上げる前に頭を小突かれて「行くぞ」とキヨくんは力強く繋がれた手を引っ張った。
背丈があるのは知っていたけど後ろから見るキヨくんは大きくて細身なのに背中が広く見えた。
「あれ」
「はい、到着〜」
ずっと引っ張られていたはずなのに既に目の前には会社が入ってるビルの前まで来ていた。
「帰りの時間わかったら連絡して」
「は、はい……じゃなくて、うんっ！」
キヨくんは眉を下げて「そうそう、その調子、恋人だからね」と嬉しそうに笑っていた。
早く行きな、と言われて会社に向かい始めた。
入口辺りで振り返るとまだ居てきっと安全に会社に入れるまで見守ってくれてるんだ、彼氏の振りなのにそういうさり気ない優しさだとか気遣いとかに胸が高鳴るのは……免疫がないだけじゃない気がする。
エレベーターを待っていると「よっ！」と同期に声を掛けられた。
「何あれ？彼氏でも出来たか〜？」
キヨくんのことを見られていたらしい。
有名人だし彼がキヨくんのことを知ってるのか知らないのかはわかりかねるけど万が一勘違いされて言い触らされたりネット拡散とかされたらわたしは置いといてキヨくんに迷惑が掛かる。
最悪の場合、活動やめるなんてなったらわたしの会社で受けたストレスを癒してくれる動画が今後一生上がらなくなる。
「や、親戚の人、遊びに来ててこのまま東京駅から帰るみたいだからついでに……」
ふわふわとした嘘設定だったけど疑念を持った目が向くことはなかった。
ほっとを胸を撫で下ろしたのは束の間、そのまま後ろを見た彼は「仲良いの？」と聞いてきた。
他人のことなんてどうでもいいと見受けられる同期の営業がたかだか営業アシのわたしのプライベートに踏み込んでくるのは初めてで不自然に思い「何で？」と前を向いたまま質問を質問で返した。
「まだいるから」
エレベーターはビルに入ってかなり奥にある。
それに社員証がないとここまで辿り着くことは出来ない。
念には念をと言うことだろうか。
「まあ、心配性なとこは否めない」
キヨくんのことは気付いてないみたいで少し安心した顔で彼を見上げるとデコピンをされた。
「いったぁ」
「ははは、ブス」
「うるさ」
グーで殴ろうとしたのに手の平で受け止められた。
そうこうしてる内にエレベーターが来て乗り込んで前を見るもわたしの身長ではキヨくんは見つけられなかった。
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なみの - えっ！？返信ありがとうございます・・過去作なので返して頂けるとは思ってませんでした。 (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - なみのさん» コメントありがとうございます。ヤンデレと言うより情緒不安定なだけのメンヘラになっちゃったような気もするのですが…エモ感じて頂けて何よりです！ (11月2日 8時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - ヤンデレキヨさん最高でした。エモ過ぎて泣いちゃった・・・ (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 末永くお幸せにいいいいいいい((殴 (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» コメント通知が死んでいて気付かずレスがかなり遅くなり申し訳ありません。感想コメントとても嬉しかったです。後半ネタばらしは最初から決めていたのですが私も書いてて楽しかったです。私がメンヘラヨさんを書くにあたって気にした点を全て気付いてくださり嬉しいです (2022年10月2日 22時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年10月14日 7時
