心情加速シグナル ページ16
デートの定番と言えばキヨくんも好きだと公言しているし映画かなと前日にいろいろ考えていたけれど連れて来られたのはキヨくんの家だった。
「え？！家？！」
危機管理能力云々言われて自分でも気を付けようと思い直したところでそれはさすがにいくら何でもと頭の中のぐるぐるで声も大きくなってしまった。
「あー……なんもしない、しません」
胸の前で両の手の平を見せてきたキヨくんには焦りにも似た表情になっていて小首を傾げた。
こんな小娘に理性のタガが外れる訳ないし、第一恋人ならまだしも恋人の振りだ。
「そんなの、心配してないよ」
今度は割と上手に笑顔になれた。
キヨくんは家の鍵を開けるとわたしの背を押して部屋へと招き入れた。
「お家デートってよく言うじゃん？TVでネトフリでも見よ」
キヨくんの安心させる言葉と声に「うん」と頷いたわたしは先に部屋の中へ入ったキヨくんの靴と自分の靴を揃えて「お邪魔します」と彼のプライベート空間に足を踏み入れた。
動画で見た赤いソファ、本当にあるんだ。
さっきキヨくんに友愛みたいなハグされた時にした匂いが少しする。
どこも神聖なもののように見えて視聴者心が見え隠れしてしまう。
ソファで一息ついたキヨくんはさっき寄ったコンビニで買った綾鷹を飲んでから横に立ってるわたしを見てまたしても手の平を差し出した。
「隣、おいで」
そっと手の平に自分の手を乗せるとグッと握られ引っ張られた。
傾いた重心に倒れそうになったけど手はそのまま肩を支えられてぽすんとソファに座る形にしてくれた。
「ちょ、ちょっとびっくりした」
キヨくんはネトフリを見ようと言ってくれていたけどコンビニで買ったお菓子や飲み物を食べながら動画の中のキヨくんみたいに冗談を混じえながら話をしてくれた。
やっぱり面白くて緊張していたわたしと心も穏やかになっていった。
わたしの話も聞いてくれて時にはなんとかなると投げやりな振りしてたけど安心させてくれたり真剣にアドバイスしてくれたり、わたしより長く生きてる、それに普通の人では経験出来ない道を歩んできたからこそ出る言葉は新鮮だった。
だめだな、好きになったら苦しくなるだけなのに、話せば話すほど、どんどん惹き込まれる。
ただの気まぐれな優しさなのに、一瞬の表情も仕草も見逃したくない。
幸せになって欲しい、笑っていて欲しい。
ゲームみたいに選択が出来ればいいのに……そしたら迷わず��好きにならない��を選ぶのに。
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なみの - えっ！？返信ありがとうございます・・過去作なので返して頂けるとは思ってませんでした。 (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - なみのさん» コメントありがとうございます。ヤンデレと言うより情緒不安定なだけのメンヘラになっちゃったような気もするのですが…エモ感じて頂けて何よりです！ (11月2日 8時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - ヤンデレキヨさん最高でした。エモ過ぎて泣いちゃった・・・ (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 末永くお幸せにいいいいいいい((殴 (10月15日 3時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» コメント通知が死んでいて気付かずレスがかなり遅くなり申し訳ありません。感想コメントとても嬉しかったです。後半ネタばらしは最初から決めていたのですが私も書いてて楽しかったです。私がメンヘラヨさんを書くにあたって気にした点を全て気付いてくださり嬉しいです (2022年10月2日 22時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年10月14日 7時
