先天性失恋 ページ34
一気に予想だにしていない情報が入ってくると脳は混乱するんだなあ、と呑気にそんなことを考えていた。
涙は止めどなく溢れてきて、最近泣いてばかりだな、涙の限界ってないのかな。
ドアを1枚隔てていてもわかる重苦しい空気が張り詰めていた。
重苦しい空気の中、歩美さんの震える声が聞こえた。
「どうして……？もしかしてまだ私のこと疑ってるの？誤解だって何回もあの時言ったのに……」
やっぱり誤解だったんだ。
歩美さんが��前の彼女��だとわかったと同時に歩美さんはそんなこと、浮気するような人じゃないと強く思ったし願った。
わたしはその言葉に少しホッとする。
「……何はともあれキッカケはお前だって言うてんやろ、俺はマジで歩美のこと好きだったからそれ以上に傷付いた」
レトルトの声色は今までに聞いたことのない苦しそうな切なそうな声だった。
好きなんだろうな、今も。
何となくそう思った。
歩美さんは、ずっと傍にいて支えてくれていた。
私が��前の彼女��だよ、なんて自分が歩美さんの立場だったとして、口が裂けても言えるわけがない。
裏切られたなんて1mmも思ってない。
でもここで出ていったら責任感の強い歩美さんは自分のことを責めるはず。
だけど、止まることのない涙はどんどん溢れ出てきていた。
意図せずともこのままだと声が出そうになる。
必死でタオルで声を押し殺していたけれど、時間の問題かもしれない。
その時、バンッと扉が開く音がして、一瞬涙が止まった。
何だ？誰かいたのかなと不思議に思ったけれど聞こえてきた声は何年も慣れ親しんだ声で、そのせいで涙腺は決壊した。
「何て話してんですか……」
「牛沢……」
「別に俺はレトルトと歩美さんが前に付き合ってたとかはどうでもいいよ、でもこんな大声でこんな場所でそんなこと話して！」
うっしーの声が心に響く。
ありがとう、うっしー、私これで
「もし、ここにAがいたら、」
やっとここから出られるよ。
私は、キィという音を鳴らしてロッカールームの扉を開けた。
「そうだよ、こんなところでそんな大事な話してたらだめだよ……？」
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luco(プロフ) - 秋葉さん» 秋葉様、コメントと、丁寧に読み込んで下さりありがとうございます。君をこんなふうにできるのは-2-をもう一度読んでくださるとわかるかと思います。自覚はしていないけど周りから見ると...って感じです。それでもわからなければまたご質問頂ければお答えします。 (2018年8月17日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
秋葉(プロフ) - すごく面白かったです！ただ、私の読解力がなくて、キヨさんが初恋ってなんでか分かりません……ヒントとか頂けないでしょうか？ (2018年8月17日 0時) (レス) id: 7505b4bacb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 咲良さん» 咲良様コメントありがとうございます！具体的な感想もとても嬉しいです。全ての人に救済をしたかったのでそれが出来ていたようで安心しました。心に響く感想ありがとうございました！ (2018年8月15日 3時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
咲良 - コメント失礼します！Another Story4の来世ではきみと、でタイトルから泣いてしまいました.. 色々な視点から物語が読めてとても素敵な作品だと思います！わたしはハッピーエンドが好きなので終わり方もとても良かったです。文章が変になってたらすみません、、！ (2018年8月15日 2時) (レス) id: 50485c4a3d (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 煎茶さん» 煎茶様、コメントありがとうございます！少し、物語の転結急いでしまった感があるのですが、お褒めいただき嬉しいです。こちらこそありがとうございます……！ (2018年7月13日 13時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2018年6月11日 2時
