【実l況l者】かみさまのこえよりめのまえのきみ【長編】

可能性のパーセンテージ-1- ページ23

いろいろモヤモヤと考えていたら、いつの間にか明日から夏休みになってしまった。
やっぱりこんなの私らしくないし、真正面から振られた訳でも、告白された訳でもないし……遠回しにされたような気もしなくもないけど……まあ、とにかく元気に生きよう！
人に優しく自分にも優しくをモットーに！
雲ひとつない晴天に夏を感じる。

太陽を見て思い出す。

昨日キヨから久しぶりに連絡がきた。
明日、会えるかと問われたのでバイトの後ならと返事をしていた。
そう言えば、キヨとは本当は高3の冬休みに会っていたという事実を聞かされて以来会っていない。
何となくうっしーにも避けられている気がしていた。
思い返すと疑問ばかり浮かぶ。

夏休みという事もあり午前中は相変わらず大戦争だった。
カリスマ猫型ロボットには為す術もなくフルボッコにされた。
歩美さんは「たぬきのくせに……たぬきのくせに……」と呟いていたので「猫型ですよ」とマジレスしたら「マジレスやめて」と言い項垂れていた。

シフトの時間が終わり、ロッカールームに向かうとスタッフルームにレトルトがいた。

「あ、お疲れ、あがり？」
「お疲れ様ー、あがりだよー」

レトルトとはこの前の壁ドン事件以来ちゃんと話すのは久しぶりだった。
ドクンと高鳴る胸を抑えつつわたしはずっと聞きたかったことを聞くことにした。
思い立ったが吉日と言うし何より今日のレトルトは機嫌が良い顔をしていた。
これは好機だ！とかみさまが言っているような気がした。

「あ、あのさ、」
「何？」

心臓がうるさい、しかも何か今にも泣きそうだ。
レトルトのことになるといつもこうだ、胸の奥にあるところが震えて熱くていろんな気持ちがごちゃ混ぜになってその想いが言葉にならなくて涙腺までせり上がってくる。

……泣いちゃ、ダメ。

「レトルトがこの先、私のこと好きになってくれる可能性って何%？」

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