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それぞれの愛の定義-1- ページ21

牛沢side
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部屋の窓を開けたままにしていたら外からAの興奮してるような声が届いてきた。

「でも、私劇場であんな風に助けた人キヨだけだったから、あのことは印象的だったよ?」
「そのくせ忘れてたじゃんかよ、俺普通に凹んだんだからな?」
「だってあの頃、髪の毛を赤くなかったし!」

2人の笑い声が耳に届いて窓を閉めたくなったが耐えることにして、俺は玄関に向かった。

玄関を少し開けて覗き見してみるとキヨという男はAを送ってきただけらしく、「送ってくれてありがと、またね」と言ったAは家に入っていった。
ほっと胸を撫で下ろしていたのもつかの間、赤い髪の男は俺の家に向かってやってきた。

は?!なんで?!
混乱してるうちにインターホンを鳴らされた。
絶対絶命?!
て言うか俺はAから話聞いてるから会ったような気になってるけどはじめましてじゃないですかぁ?!
そのままの状態から動けなかった俺に気付いたらしいキヨは玄関まで近付いてきて「覗き見とは関心しねーな」と言いニヤリと笑った。

結局、そんなことされたら部屋にあげる他の選択肢などない。

「……幼馴染ってさ、強いよね」

唐突に返答に困ることを言い出した。
部屋のドアに寄りかかりながら腕を組んでベッドに座る俺を見下ろすキヨは言葉とは裏腹に余裕な顔をしていて俺の神経を逆撫でしてくる。

「俺、タメだからキヨって呼び捨てにしていいよ、Aが呼んでっから聞き慣れちゃってさ、俺もうっしーって呼ぶわ」

立ち振る舞いや話し方からして悪いヤツではないのはじっくりと観察していればすぐにわかった。
そこがまた俺をイラつかせる要因だったのを除けば。

「それは諸々了解、んで、何しに来た?」

キヨは「え?」と目を丸くして驚いたような顔をした。
それから、んーと少し考える仕草をして「ライバル宣言?」
と言い出した。

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luco(プロフ) - 秋葉さん» 秋葉様、コメントと、丁寧に読み込んで下さりありがとうございます。君をこんなふうにできるのは-2-をもう一度読んでくださるとわかるかと思います。自覚はしていないけど周りから見ると...って感じです。それでもわからなければまたご質問頂ければお答えします。 (2018年8月17日 0時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
秋葉(プロフ) - すごく面白かったです!ただ、私の読解力がなくて、キヨさんが初恋ってなんでか分かりません……ヒントとか頂けないでしょうか? (2018年8月17日 0時) (レス) id: 7505b4bacb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 咲良さん» 咲良様コメントありがとうございます!具体的な感想もとても嬉しいです。全ての人に救済をしたかったのでそれが出来ていたようで安心しました。心に響く感想ありがとうございました! (2018年8月15日 3時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
咲良 - コメント失礼します!Another Story4の来世ではきみと、でタイトルから泣いてしまいました.. 色々な視点から物語が読めてとても素敵な作品だと思います!わたしはハッピーエンドが好きなので終わり方もとても良かったです。文章が変になってたらすみません、、! (2018年8月15日 2時) (レス) id: 50485c4a3d (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 煎茶さん» 煎茶様、コメントありがとうございます!少し、物語の転結急いでしまった感があるのですが、お褒めいただき嬉しいです。こちらこそありがとうございます……! (2018年7月13日 13時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:luco | 作成日時:2018年6月11日 2時

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