Happy end Story:俺だけのお姫様 ページ48
控え室は一緒だった。
早々に着替え終わった俺とは違ってお姫様は準備にかなり時間がかかる。
完成系を一気に見ても脳の処理が追いつかない俺はこれはこれで良かったと胸を撫で下ろしながら整えられていくさまを見つめ続けていた。
ドレス選びの時なんて俺ミリオンを秒で達成するくらいの回数死んだからね？！
語彙力なんか失くなってずっと「え？天使？」って言ってたら嫁さんに「ちゃんと見てください！！」って怒られたけど。
足を組み直したあたりで父ちゃんから連絡が来てしまった。
「ごめん、父ちゃんから連絡来た」
「あれ、家の両親もちょうど着いたみたいだから親族控え室に案内してあげてくれますか？」
式場到着時間は当然俺達が1番でその後に両親、そこから受付お願いした奴らが来て最後に招待客の受付が開始される。
親族控え室に通し、兄ちゃんと母ちゃんに茶化されていたらプランナーさんに「準備出来たみたいですよ」と耳打ちされた。
親族にも式前にお披露目する予定だったから「じゃあ」と声を掛けようとしたらプランナーさんに止められた。
「まずは新郎様が独り占めしてください」
親族に軽く会釈してから控え室を出た。
結局ドレスはどれを選んだのかあの時も浮かれすぎてていまいち覚えてねえのに平気か？
心臓の動きと逸る気持ちが先走っているくせに頭の中は真っ白だった。
控え室に着いて深呼吸する時間もくれないプランナーさんの手によってその扉はいとも容易く開けられてしまった。
「あ、キ、キヨさん」
末広がりなAラインドレス。
スカート部分はギャザーがたくさん入っていてドラマや映画でよく見る典型的なドレス。
後ろを振り返った俺だけのお姫様はリボンが可愛いですよねと後ろ側に斜めに飾られた大きめな白いリボンを俺に見せて来た。
濃いめかと思っていた化粧も唇がいつもより赤みが強いだけで普段の彼女とあまり変わらない。
「とてもお綺麗です」
プランナーさんは一言そう言うと化粧担当してくれた人と外に出て行ってしまった。
きっと親族を呼びに行くのだろう。
ふたりきりでいられる時間はあと僅か。
「ど、どうです？」
緊張しているのが上ずった声で聞いてきた彼女の手を取った。
「世界で1番綺麗」
目を見開いた彼女はキヨさんらしくないなんて言いながらも嬉しそうにはにかんでいた。
「マスターキーなんてなかったね」
ゴールインで終わらない始まりの言葉に視界が滲んだ俺に彼女は心からの笑顔で笑ってくれた。
And to the future Story:光の中で→←Another Story:乗り越えること
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luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» ずっと温めてきた作品だけに思い入れが強いので真っ直ぐに作品を読んで褒めて頂けて感無量です…！彼だからこの結末になって彼だからこその作品になった気がします。とp4の関係性が大好きなので気を遣って書いたので気に入って貰えて良かったです！ (2021年8月18日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - 普段常識人だからこそこういう禁断の恋一歩手前のレトさんが凄く輝いている気がしました。lucoさんの人選が流石過ぎます。今回の世界線はそれぞれの立場が切な過ぎて胸痛いです。その分報われて感動でした! それに今回は特にtop4の関係性が見えて最高でした! (2021年8月9日 3時) (レス) id: d5158b45c8 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - ゆりさん» ゆり様コメントありがとうございます！感情直球とっても嬉しいです！！読んで頂けて本当に感謝です（；_；） (2019年10月11日 11時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - すごくすごく好きです。お疲れ様です！ありがとうございます！！ (2019年10月11日 10時) (レス) id: 284b51d183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年3月8日 1時
