Next stage:伏線は回収する主義 ページ43
リビングの端から端までを何度も往復しながらぶつぶつ呟き続けてる家主を猫2匹が不思議そうに見ていたのはほんの3分程度でその後は呆れたようにソファに丸まり欠伸をしていた。
あれからAちゃんと恋人と言う関係になったものの現状何も変わらない毎日を送り続けている。
平日のAちゃんは変わらず仕事に行くし、俺は実況を撮るし、そして夜ご飯だけは特別な用事さえなければ一緒に俺の家で食べる。
そう、何も変わらず。
俺とAちゃんより遅れて例の彼女と恋人という関係になったキヨくんは既にひとつ屋根の下で暮らしていると言うのに、だ。
別に競争心なんてないけど、恥もかなぐり捨てて本音を言うのであれば俺も一緒に住みたい。
でも一緒に住む=同棲って、考えてる以上に難しい。
それぞれ育ってきた環境も違うし許せることもあればそれだけは許せないこともそりゃ無数に出てくる訳やし。
「お邪魔しまーす」
「あ、お、おかえり」
同棲のことで頭がいっぱいになっていた俺は無意識に「おかえり」と言ってしまい、それを聞いたAちゃんは一拍置くと「ただいまぁ」と言いながらふわっと笑ってくれた。
気持ちと同じ表情の笑顔をもう自然と作れるようになったAちゃんの笑顔に俺はいつも救われる。
嫌なことあった日も、機嫌良くない日も、この笑顔があればまた頑張ろうって思える。
いろんなこと考えてナーバスになっていたけど、一緒にいたい理由なんて至極単純なもんだ。
キッチンに立ったAちゃんの後ろ姿に「は、話あんねん」と声をかけると「何？」と言いつつくるっと振り返った。
振り返った振動によって揺れた髪からAちゃんのコロンの淡い匂いが鼻をくすぐってきた。
「あんな、Aちゃんの、匂い好きやねん」
「え、あっ、コロンきつかった？」
「いや、好き、やねん」
「あ、ありがとう？」
俺は変態だと罵られてもいいくらい気持ち悪いことを発言してしまったことに気付き後退りをして床にへたりこむとソファで丸まっていたはずの猫が寄ってきて俺をしっぽでぺしぺしと叩いてきた。
「あんなに考えてたことも言わず何言ってんの？」とでも言いたそうな瞳をしてから猫らしい鳴き声を奏でてからそろそろとリビングから姿を消した。
「大丈夫？」
「大丈夫やけど、匂いのことは忘れて」
「……まぁ、頷いてもいいけど嬉しいことは忘れられなかったりね」
何も言えない俺にうふふと笑いかけるAちゃんはしゃがんで俺と目線を合わせてきた。
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luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» ずっと温めてきた作品だけに思い入れが強いので真っ直ぐに作品を読んで褒めて頂けて感無量です…！彼だからこの結末になって彼だからこその作品になった気がします。とp4の関係性が大好きなので気を遣って書いたので気に入って貰えて良かったです！ (2021年8月18日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - 普段常識人だからこそこういう禁断の恋一歩手前のレトさんが凄く輝いている気がしました。lucoさんの人選が流石過ぎます。今回の世界線はそれぞれの立場が切な過ぎて胸痛いです。その分報われて感動でした! それに今回は特にtop4の関係性が見えて最高でした! (2021年8月9日 3時) (レス) id: d5158b45c8 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - ゆりさん» ゆり様コメントありがとうございます！感情直球とっても嬉しいです！！読んで頂けて本当に感謝です（；_；） (2019年10月11日 11時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - すごくすごく好きです。お疲れ様です！ありがとうございます！！ (2019年10月11日 10時) (レス) id: 284b51d183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年3月8日 1時
