After Story:きみは恋人 ページ42
紆余曲折いろいろありつつも心が通じ合ったわけやし、キスのひとつでもすれば良かったけど、こんなに綺麗に笑われると手を出した俺が負け感あるなぁと言葉の通り握られたままの手の感触を感じながら頭をフル回転させていた。
この際、キスなんてどうでもええし、そもそもキスだのその先だのはAちゃん的にまだ身体が拒むかもしれん。
そんなんほんとに俺だって、俺だって……ぐるぐる考えてる俺の横でAちゃんは「キヨくん達に連絡すべきですかね……？」とスマホを取り出して俯き加減になっていた俺のことを覗き込んできた。
俺はね、別にそんなことでとやかく言う気なんて毛頭ないし、気持ちが通じ合ったからと言って恋人になりましょうみたいな口約束もしてないし、言える権利もないけど、けども！
俺が動画内で「キヨくん」って呼んでるから「キヨくん」って呼んじゃうんですって頬を染めながら言われたら「あっそ」しか言えんくない？
いや、めちゃめちゃ可愛くて何やそれ反則やんって思いましたけどね？！
レトルトさんこう見えても純情な男の子ですから！
「レトルトさん？」
「キヨくんはキヨくんなのに俺はレトルトさんなの？」
「え」
ほら、変な空気流れた。
でも他人行儀やない？
レトルトさんて、絶対ただの視聴者だった時、レトルトさんなんて言ってないことなんてわかっとんぞ。
いや、何て呼んでたのかは知らないんですけども。
「……ヤ、ヤキモチですか？」
「お、俺はきみが好きで！きみも俺のこと好きやったら！その、あれやん、あれやんか……」
何がアレなのか俺もわからん。
もう大人だし明確な口約束なんてなくたって雰囲気でわかるはずやし、そんなんが欲しいと思うのは俺のワガママなのかもしれない。
Aちゃんは俺を見たまま俺の発した意味不明な言葉を受け止めるとふわっと笑った。
「恋人ですし、レトくんて呼んでもいいですか？」
俺は今、キヨくんがエレベータの下りで天を仰いで目頭抑えた気持ちめちゃめちゃわかるで。
俺は目を閉じたまま「好きにして」と呟くだけで精一杯だった。
「それじゃ、
俺は閉じてた目を開けてAちゃんを見ると少し悪戯ぽく笑ったAちゃんと目が合った。
「それともレトくんが連絡しますか？」
6歳も下の彼女にこれから俺は振り回されるのかもしれないと思いつつ頬が緩むのは惚れた弱みかもしれん。
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luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» ずっと温めてきた作品だけに思い入れが強いので真っ直ぐに作品を読んで褒めて頂けて感無量です…！彼だからこの結末になって彼だからこその作品になった気がします。とp4の関係性が大好きなので気を遣って書いたので気に入って貰えて良かったです！ (2021年8月18日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - 普段常識人だからこそこういう禁断の恋一歩手前のレトさんが凄く輝いている気がしました。lucoさんの人選が流石過ぎます。今回の世界線はそれぞれの立場が切な過ぎて胸痛いです。その分報われて感動でした! それに今回は特にtop4の関係性が見えて最高でした! (2021年8月9日 3時) (レス) id: d5158b45c8 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - ゆりさん» ゆり様コメントありがとうございます！感情直球とっても嬉しいです！！読んで頂けて本当に感謝です（；_；） (2019年10月11日 11時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - すごくすごく好きです。お疲れ様です！ありがとうございます！！ (2019年10月11日 10時) (レス) id: 284b51d183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年3月8日 1時
