お似合いの2人 ページ28
どこまで話をしたのかわからず戸惑いを隠せなかった。
それが顔に出てしまっているのか女の人はニッコリと微笑んだ。
「わたしはここの従業員なので、お客様が落ち着くまでここにいますよ」
そう言って冷やしていたのか部屋の備え付けの冷蔵庫からペットボトルの水の蓋を開けて手渡してくれた。
優しそうだ、嘘がない微笑みに少し心が和らいだ。
水を飲みながら未だに仏頂面をしているキヨくんを見た。
「あの」
「はい？」
「キ、キヨさんとお付き合いされてるんですか？」
少しの沈黙の後に2人揃って「「ハァ？！」」と叫んで驚く。
ついつい、視聴者としての野次馬なとこが出てしまったことは反省したけれどあまりにもタイミングが合っていてお似合いだな、と思ってふふ、と笑みが零れた。
「お前いいとこあんなー、��まだ��彼女じゃねーけどな」
「はぁ？！ち、ちがいますから！全部嘘ですからね？キヨさんの言うことなんて全部嘘ですから！」
「それは酷くね？俺は客だぞ？」
「うぐぬぬ、こういう時に限ってお客様主張するなんて狡いです」
うふふ、と笑ってから「仲良しですね」と声を掛けた。
キヨくんは「そうなの、仲良しなの俺たち」と言ってから「ちゃんと笑えんだね」と眉を下げて頭をぽんぽんと強めに叩いてくれた。
すぐさま振り返って彼女に「妬いた？撫でて欲しい？」と嬉しそうに聞いていて返事も聞かずに何かを耳打ちして頭を優しく撫でてあげていた。
「俺、戻るからさ」
スマホに誰かから連絡が入ったらしくてそう言うと出入口に向かって歩を進め始めたキヨくんに「待ってください！」と慌てて呼び止めた。
「どした？」
「レトルトさんには言わないで、わたしがここにいること……落ち着いたら必ず帰るから今だけはそっとしておいてください」
キヨくんは「……ぅ〜ん」と頭をぽりぽりと掻くと「ヤバいほど心配すると思うけど、まあ、大事にならんようにはするわ」とめんどくさそうにしながらも許諾してくれた。
ほっとしていたら彼女に向かって名前を呼んで「何かあったら連絡して、無理すんなよ」と言ってから外へ出て行った。
「……守秘義務あるので、こっちも大丈夫ですよ」
と言った彼女は内線でフロントに連絡しているみたいだった。
彼女はこちらに向き直ると「誰の訪問も遮断するよう言ったから平気ですよ」と柔らかく微笑み一旦飲むのをやめていたペットボトルをそっとわたしの手から受け取って冷蔵庫に閉まってくれた。
「何か、お話しますか？」
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luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» ずっと温めてきた作品だけに思い入れが強いので真っ直ぐに作品を読んで褒めて頂けて感無量です…！彼だからこの結末になって彼だからこその作品になった気がします。とp4の関係性が大好きなので気を遣って書いたので気に入って貰えて良かったです！ (2021年8月18日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - 普段常識人だからこそこういう禁断の恋一歩手前のレトさんが凄く輝いている気がしました。lucoさんの人選が流石過ぎます。今回の世界線はそれぞれの立場が切な過ぎて胸痛いです。その分報われて感動でした! それに今回は特にtop4の関係性が見えて最高でした! (2021年8月9日 3時) (レス) id: d5158b45c8 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - ゆりさん» ゆり様コメントありがとうございます！感情直球とっても嬉しいです！！読んで頂けて本当に感謝です（；_；） (2019年10月11日 11時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - すごくすごく好きです。お疲れ様です！ありがとうございます！！ (2019年10月11日 10時) (レス) id: 284b51d183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年3月8日 1時
