分析型実況者とは俺のこと ページ39
「何でや、帰らせろ」
かなり不機嫌イライラモードのレトさんを見るのは俺もあまりない。
それに怯えるかのように普段お客さんのクレームにも笑顔で対応してるAは気配を消すようにずっと俺の後ろに隠れていた。
その間も服を遠慮がちに掴んでいて、あざと過ぎて頭がどうにかなりそうだったしいまにも頬の筋肉がゆるゆると緩みそうになる。
目前のレトさんがキレてる状態なのに俺がニヤけるのはさすがにヤバい。
すると背中を両手で強く押すうな感触がして驚くと俺の後ろからひょこっと顔を出したAがレトさんに向かって「お、お話があります」と声を発した。
会計前だし、部屋に戻ろうと言った俺の提案に乗り3人で個室に戻った。
俺はAとレトさんの話については聞く側に徹することにした。
この話、どちらかの肩を持つとしても2対1になる。
Aのことは純粋に好きだけど、好きな女が心配なレトさんの気持ちも俺はわかるから。
「単刀直入に言います、レトルトさんの……彼女さんは今、目の前のホテルにいます」
「は？」
少し安心したようにホッと胸を撫で下ろしたレトさんは少し動作を止めてから顎に手を当て始めた。
百面相みてえだ、わかりやっす。
「ケーキ屋の前で過呼吸になってるとこを助けました、介抱して横になれる所がいい、と思い、わたしの職場であるホテルに運びました」
「そう」
意外にも冷静に短く返事をしたレトさんは過呼吸と言うワードに少しばかり眉を顰めていたけれど、どこか呆れたような顔をしていた。
「心配じゃないんですか？」
語気がいつもより強いAに気付いてAを見るとレトさんを睨み付けていた。
このギスギスした空気嫌いじゃないけど、内容が内容で手放しで喜べやしねえ。
「介抱してくれたことは感謝しとる、どこの部屋？起こして一緒に帰るから……」
頭をがしがし掻いたレトさんにそのままAは丁寧に腰を折りお辞儀をした。
「申し訳ございませんが、レトルトさんからの接触は拒否されておりますので、お教えすることは出来ません」
正に空いた口が塞がらない表情のレトさんを見て頷く。
家を出る前にレトさんと彼女に何かがあったのかもしれないけど、彼女には何でも隠せそうな雰囲気があった。
自分の感情を表に出すことは申し訳ないと言うよりはマイナスな感情を隠すのが癖になってるみたいで、大人になるって存外めんどくせえし大変だなと言うのは彼女を見て改めて思ったことだ。
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なみの - とっても面白いですね( ´∀｀)相変わらずの天才っぷり・・さすがです！毎回素敵なお話ありがとうございます(≧∀≦) (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - 赤の黒犬さん» これは完全に動画内のヨさんのテンションで書いてたので反応どうかなと思っていたので好きと言って頂けて良かったです。たくさんの作品にコメント本当にありがとうございます。レスが遅くなりましたが毎回見て元気を貰ってます！ (2021年8月18日 0時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
赤の黒犬 - キヨさんの嫉妬とか御馳走様過ぎる。キヨさんが元々レトさんに憧れていた節があったからこそキヨさんの嫉妬って映えると思ってニヤニヤしてました。キヨさんがドルヲタとか女優ヲタとして動画内で喋っているテンションで恋して、本人っぽさが倍増するのも好きです。 (2021年8月9日 2時) (レス) id: d5158b45c8 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - siratama〇さん» siratama〇様、コメントありがとうございます！初の学パロ以外での長編ですので読者の方の反応が気になっていたのですが好みと言って下さりとても安心しました。そして長編に対しての励ましのお言葉もありがとうございます！とても嬉しいです。頑張ります！ (2019年3月9日 22時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
siratama〇(プロフ) - 好みof好みです。長編苦手だと仰りますが胸を張って得意だと叫べるレベルで素晴らしいです。素敵なお話ばかりで読むのが楽しみの１つになっています。ずっと応援しております、頑張って下さい！ (2019年3月9日 20時) (レス) id: 1503b2e324 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年3月7日 1時
