【実l況l者】薔薇色メッセージ【企画短編】

推しと恋がしたい女の子の話/ky ページ46

ドルパロ長編予告 ky夢主 ver.
※ガチ恋限定読んでるともっ楽しく読めます
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「社長ってモデルの優雨と付き合ってるって本当ですか？」

毎年、最終面接のタイムキーパーやってると必ずと言っていいほど常識知らずと言うか何でこんなやつが最終面接まで残ったんだろうみたいな新卒がやってくる。
それでも社長の颯太さんはそんな質問にも少しの笑みを浮かべて「妹は女優だよ」と答えるだけだった。
付き合ってる以前に社長は優雨さんと結婚している。
当時はビッグニュースになったらしいからその世代の人は皆知ってるはず。
しかし社長の妹の結婚式のニュースが凄すぎて影に隠れちゃったから知らない人もいるのかもね、最近は優雨もテレビに出るし俺の話もするから気になっちゃったのかもね、なんて呑気に笑っていた。

社長の妹さん、そして奥様の優雨さんはPaletteと言うアイドルとして爆発的な人気を誇ってる中、解散した。

「Aちゃん」
「は、はい」

今日の面接を終えて社長室に戻ってる間に声を掛けられた。
少し考え事をしてしまった為、ふるふると頭を振って仕事に集中しようとした時だった。

「今日、コンサートじゃないの？あがっていいよ」
「あ……はい、でも少し事務作業しても間に合いますので」
「いいからいいから」

社長に急かされるように社長室を追い出されてしまった。
秘書のわたしのデスクは社長室から繋がる隣の部屋にある為、これでは帰るしかなくなってしまった。

「一旦、帰るか」

社長の妹さんは妹さんの大ファンだった人と結婚した、そんな夢みたいなこと本当にあるんだろうか。
そのファンの人は颯太さんの友達みたいなことも聞いたことあるけど、やっぱりそういうコネみたいなのがないと無理なのかな。

現実見てないなんてわかってる。
でも、それでも、正直羨ましかった。
社長から聞いたからPaletteのことも少し知ってるけどPaletteみたいに認知なんてありえない世界、プレゼントだって渡せないしこうして生で会えるコンサートでしか彼らが生きてることを確認出来ない。

彼らはアイドルでわたしは大勢いるファンの中のひとり。
でもアイドルオタクがやめられないのは心を満たしてくれるから、幸せにしてくれるから、彼らの応援をすることがわたしの全てだから。

だけど、推し以外からストーカー紛いのことされるなんてこの時のわたしはミリとも思っていなかった。

「Aさん、見〜つけた！」

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