拝啓、天の川の人たちへ/ky ページ33
「願い事、書こ？」
遠慮がちに差し出されたのは短冊みたいな紙で律儀に黒のペンまでふたつ用意してた。
俺の言葉と行動を待ってるくせに目をぎゅっと瞑りながら差し出すあたり俺を相当冷たい男だと思ってそう、まあ、あながち間違いじゃねえけど。
んでも、俺は彼女に冷たくするほど優しくない彼氏でもない。
「いいけど」
常に最悪のパターンを考えて行動するAのことだ、俺の言葉に安堵した表情になった。
「こっち来いよ」
腕を伸ばして指を折り曲げて合図するとそれに合わせて小走りして近寄ってきた。
腕を引っ掴んでソファに座ってる俺の足元のラグの上に座らせると俺の方に向き直ってさっきの紙を渡してきた。
「キヨくんの言いたいことはわかる」
なかなか紙を受け取らない俺に笑いかけてきたAに怪訝な表情を見せた。
すると、コホンとわざとらしく咳払いをして声の調子を整え始めた。
「願掛けなんて趣味じゃねえ」
俺の真似してんのか、ソレ。
あまりにも似てなくて吹き出し「似てねー！」と大笑いするとつられたのかAもあははっと声に出して笑い始めた。
「当たり？」
「当たってなくても当たりでいいや」
何で〜？と不服みたいな言葉を口から出してきた割に、声は甘えたい時の声で顔は満面の笑みだしで俺のA可愛いメーターはフルスロットル全開なんすけど、どう責任取んの？
「でもやってやっからさ、Aが代わりに書いてよ」
やった！と両手をパンっと叩いてから、ペンのキャップを外したAの背中を見つめて顎を摩った。
七夕は自分の努力でどうにかなりそうな願い事をすると叶いやすいと言うのをどっかで聞いたことがある。
たぶん、TVの七夕特集なるものを流し見してた時に入ってきた程度の知識だろうけど。
じゃあ、どう転んだって自力で叶わせるつもりだからこの願い事も結局は七夕の願い事したってことになんのかな。
��Aとキスしたい��
そう背中に投げかけたら紙に向かったくせになかなか書こうとしないAはペンを机に置くとゆっくり振り返った。
「そんなの、」
「叶えてくれんの？」
両頬を包んでおでこをくっつけると潤んだ瞳で頷くから毎日会える俺の織姫様に今年は願い事叶えて貰うことにすっから、そっちはそっちで逢えるといーね。
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七夕作品 第2弾！
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luco(プロフ) - かりんさん» かりん様、温かいコメントありがとうございます！gtさんのお話はなかなか慣れないのですが読みたい方がいらっしゃるので今回頑張りました！次回作も最後の方に出すつもりなので楽しみにして下さると嬉しいです！ (2019年8月6日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 完結おめでとうございます！いつも楽しく読ませてもらっていました。gtさん大好きなので今回gtさんのお話が沢山あってとても嬉しかったです！次回作も読ませていただきます！ (2019年8月6日 0時) (レス) id: e9726304d4 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - りんご様、完結おめでとうのお言葉ありがとうございます！ドルオタなのでドルパロが大好きなもので.......お褒め下さり嬉しいです！頑張ります！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - こんばんは！完結おめでとうございます！ドルパロ良いですね！長編が楽しみです！頑張ってください！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - りんごさん» りんご様こんにちは！同担様でしたか！中々同士様がいらっしゃらないので嬉しいです。新作もお読み頂けてありがとうございます(*¨*)例に漏れずドルパロでしたがお褒め下さり嬉しいです。 (2019年7月29日 18時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年5月18日 5時
