2個だけのアイスが泣いている/rt ページ23
コンビニからの坂道を下り終わって、学校に着く直前にくるっと後ろを振り返った。
「ねえ」
「暑ない？やばいな」
「何であんなに必死にチョキにしよーとか言ったの？」
そう、いつもは割とクールぶってるレトルトがやけに必死にチョキを出させたがってたから何か可哀想に思って出してあげたんだ。
「おかげで負けたじゃん」
「でも2人一緒に負けたやろ？」
アイスが入ってる袋から少し水滴が落ちた。
少し真剣だけどちょっと優しい顔してるレトルトは「アイス溶けるからはよ行こ？」と顔を少し傾けた。
ほぼ、反射的に歩き出すレトルトのワイシャツの裾を掴んだ。
アイスは食べてもいいほど暑い陽気だけど、その前に今はテスト期間中。
明日は苦手な数学があるしちゃんと勉強しなきゃ、何もこんな偶然起こったことに何も期待してはいけないし、期待したとしても今じゃない。
今じゃない、はずなのに。
「そういうのは好きなやつ以外にやっちゃだめなやつ」
振り返ったレトルトは諭すような瞳でわたしを見ていた。
「…………好きならやっていいってこと？」
「好きならおっけー、好きなら……って、え？」
向き合う形で前のワイシャツの裾を掴むとこっちが驚く程にレトルトは見る見るうちに耳まで真っ赤になった。
「ちょ、ちょっと待った！まだ言ってないな？！」
何が何だかわからないみたいな顔でレトルトを見ていたら少し距離を取られた。
何だ？ダイナミックな振られ方すんのか？と目をぐるぐるまわしていたら、物凄い勢いで手を出され腰を直角にしてお辞儀し始めた。
「AAさん！好きです！俺と、お、お付き合いしてください！」
予想と反した模範的なダイナミック告白に、あはは、 と声を出して笑ってしまった。
そっと手を握り「アイス食べたら明日の数学教えてくれる？」と言うと「……それは彼女としてのお願いですか？」と聞かれた。
「そうなるかな？」
言いながら、ふふふ、と笑いかけると少し溶けだしているだろうアイスの水滴がまたアスファルトを黒く染めていた。
袋の影からしてアイスが2個しかないように見えたのは目の錯覚だろう。
眩しくみえて泣けてくる/ky→←2個だけのアイスが泣いている/rt
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luco(プロフ) - かりんさん» かりん様、温かいコメントありがとうございます！gtさんのお話はなかなか慣れないのですが読みたい方がいらっしゃるので今回頑張りました！次回作も最後の方に出すつもりなので楽しみにして下さると嬉しいです！ (2019年8月6日 0時) (
レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
かりん - 完結おめでとうございます！いつも楽しく読ませてもらっていました。gtさん大好きなので今回gtさんのお話が沢山あってとても嬉しかったです！次回作も読ませていただきます！ (2019年8月6日 0時) (レス) id: e9726304d4 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - りんご様、完結おめでとうのお言葉ありがとうございます！ドルオタなのでドルパロが大好きなもので.......お褒め下さり嬉しいです！頑張ります！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - こんばんは！完結おめでとうございます！ドルパロ良いですね！長編が楽しみです！頑張ってください！ (2019年8月5日 21時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - りんごさん» りんご様こんにちは！同担様でしたか！中々同士様がいらっしゃらないので嬉しいです。新作もお読み頂けてありがとうございます(*¨*)例に漏れずドルパロでしたがお褒め下さり嬉しいです。 (2019年7月29日 18時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2019年5月18日 5時
