まさかこれが初恋なんて-1- ページ26
「何か無理してない？わたしの前ではいつも通りでいい、よ」
バッと目が覚めた。
「またあの夢かよ……」
中学生の頃に少しの期間だけ教えていた女の子が成長して女になってから再会するハメになるとは誰が想像しただろう。
本当はもっと大学の近くに引っ越す予定だったのを働いていた塾に近い場所にした。
実家から通ってもほぼ同じじゃんかよ！と言われれば、まあ、そうだけど、と言わざるを得なかった。
塾を辞める気は毛頭無かったのは無意識にあの子との再会を心待ちにしていたのかもしれない。
我ながら執念深いと言うかなんつーか。
高校生くらいから自分を偽ることを始めた。
最初は偽りの自分だと思っていたけどそれが癖になっていた。
反動で家での自分、素の自分が出せる場所がなくなっていた。
��うるさいけど、おもしろくて、明るい奴��
キヨという人物はそんな奴だという共通認識があった。
もちろんそんな俺に告白してくる女はそういうキヨに惚れているから彼女の前でも偽りの自分を続けていた。
大学に入ってからもそれは変わらなくてバイトとして始めた個人塾でもそんな俺を保ち続けた。
初めて担当した子は中学生の女の子で俺の金髪を見てビビっていた。
3回目あたりの授業終わりに「ねえ、キヨ」と話かけられた。
何かわからなかったことでもあるのかと「何？どこかわからなかった？」と聞き返した。
「何か無理してない？わたしの前ではいつも通りでいい、よ」
もじもじとしていたけど、眉は下がっていたしすごく心配している様子だった。
俺はドキッとした感覚を隠せなかった。
あんなにうまくやってきた3年間、誰にも何も気付かれなかった。
なのに、この子は、俺のことを、
「勘違いかな？って思ったんだけど、キヨ、本当は真面目で優しい、って見てて何となくわかる」
理解してくれた。
耳に響く甘く柔らかい声に涙が出そうになった。
「勘違いじゃないよ？」
そっと呟くと「そっか」と照れた顔したその子は片付けをし始めた。
偽りの俺は無口にはならない、暗くない、真面目じゃない、優しくもないそこだけは守ってきた。
ノリはいいけど、バレたくなくて深い関わり合いも避けてきた。
中途半端な優しさを見せるのもめんどくて適当に生きてきた。
ただ、その子の一言でもう全部辞めよう、そう思うくらいその子の言葉は真っ直ぐ俺の心に届いた。
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なみの - 返信ありがとうございます！まだ占いツクールやってるみたいで嬉しい(？)です。これからも応援しております・・！ (11月5日 13時) (
レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - なみのさん» お返事遅くなりすみません。コメントありがとうございます！お友達の神絵師に表紙頂いちゃいました…！背景に全ての要素入れて貰ったので併せて見て頂けると嬉しいです。かっこいいヨさん目指してたので伝わってて良かったです。 (11月2日 8時) (レス) id: 4134a90f62 (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 最初の絵、背景に色々描いてあったけどちゃんと要素入ってたんですね！細かい、、 (10月14日 19時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - 見ました・・・泣いちゃった・・・純愛っていいね。キヨさんかっこよすぎるよ、、、 (10月14日 19時) (レス) @page50 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - ぎゃっ話まだ見てないけど神絵師様じゃないですか！！ (10月14日 14時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：luco
| 作成日時：2018年9月26日 3時
