最強の嫁は猛獣使い (ページ13)

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新光が生む影① ページ13

｢だっさ｣

倒れた紅を見下ろし吐いた言葉には随分と棘がある

ジョ｢オイ、最強さんよ
簡単にやられすぎだろ、ったくなんのために連れて来たと思ってんだ｣

｢最強の消防官などといい気になっていたが、愚直な動物なんてこんなものだ｣

ジョ｢お前何をした｣

｢答えるバカがどこにいる｣

『ちょっと殿方、特にそこのおかっぱ頭の。黙ってて下さらない？』

｢は？｣

睨み合うようにジョーカーと体面していた男は椿月に名指しされ素っ頓狂な声で返す

と紅の身体から何やらけむりがあがりその体躯が持ち上がった

唸る声と共に意識を起こした紅は真っ先に敵を見据え
紅｢テメェ…何か盛りやがったな｣

低い声で圧をかける

猛毒を刺したらしいが死なずにいる彼をみて驚きふためいた大柄なおかっぱ頭はそのまま綺麗に鳩尾に紅の拳が入り
苦しみ悶え地面に伏せた

からんっ
と出てきた武器を椿月は手に取りそれをジョーカーは後ろから覗いた

ジョ｢吹き矢…こいつで毒を盛ったのか

お前なんで平気だったんだ｣

紅｢知らねェ…効かねェモンは効かねェんだ｣

椿月は髪をかきあげ振り返る紅に心臓を掴まれたかと思うぐらい苦しくなった、前提として顔が整っている

ジョ｢そりゃ最強さんだわ｣

その上

紅｢うるせェ

椿月お前も焦るんじゃねェ

さっさと行くぞ｣

傍によった椿月の頭をくしゃっと撫でて教会へと歩を進める

どうしよう。今日は一段とかっこいい
おかっぱ達の焦る声なんて聞こえない、けど

(『好きな人が倒れるところなんて見たくはないわよ』)

｢貴様！こんな事をしてどうなるか分かっているのか！｣

紅｢何言ってるか全然分からねェ｣

｢イカれた破壊神が…！｣

紅｢神なんて勘弁してくれ…俺はただの暴れん坊だ｣

うわぁぁぁ

と退却を始めるおかっぱ達が空を舞う

おかっぱふれふれ雨あられ

聖陽教徒が雨あられ

手ぶらでカチコミたのしいなァ♪

そんな中を楽しそうに行く黒い男と
ものともせず蹴散らす紅は
その扉を開けた、のでは無く蹴破った

『お行儀悪いわよ』

ジョ｢お行儀悪いのは嫌いか？｣

『貴方は好きじゃない、紅は好きよ』

ジョ｢おーおーお熱いこって｣

誰もいない教会内

紅｢もぬけの殻だぞ｣

ジョ｢地下(ネザー)だ｣

『地下(ネザー)は聖陽教じゃ禁忌のはずでしょう？』

ジョ｢見られたくないから禁じているのさ…本当は地下が大好きなんだよ｣

そう言うと彼は台を蹴飛ばした