制作裏話とか短編とか (ページ8)

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傷んだブリは美味しいか② ページ8

数か月後

ながつき(うーん……血の匂いが取れないなぁ……まあいいか、今日も配信いこうかな)

KUN「なんかさ、ながつき最近戻ってきてない？また面白くなくなってるよ？」

そろそろ世代交代か、とKUNが呟いた。

ながつき「でも、僕ずっと頑張って…」

KUN「ひまじん、あどみん、カイキング、クリボー、こうたん、毒状態。居なくなった参加勢のトレースみたいなもんじゃん。最近のながつき」

ながつき「え……………」

頭を殴られたかのようなショックを受けた僕は、パソコンの前で眩暈を起こした。

sideKUN

いつものようにHUBサーバーにやってきたが、何だか人が少ない。というより、居ない。

KUN「おかしいな…ながつき、でぽん！他の参加勢はどうした？」

でぽんもながつきも、何も言わない。

おかしいなと思った瞬間、ディスコードの通知が響いた。

ながつき：KUNさん、僕、もっと面白くなれば褒めてくれますか？

ながつき：あなたに褒められるために僕は手を汚したんです。

ながつき：なんで、わかってくれないんですか

ながつき：今会えますか？

ながつき：返事は大丈夫です。今向かってます

最近ぽつぽつと参加勢はいなくなっていた。

全てを悟ったKUNは大急ぎでカーテンを閉めてドアの前に段ボール箱を積み重ねた。

それでもガタガタと歯が鳴る。

すると、

ピンポーン………

冷たく乾いた部屋の空気に、インターホンの音が響き渡る。

数拍遅れて勢いよくドアが叩かれる。

ながつき「KUNさん、開けてくださいよ、もう僕フードロスなんかじゃありませんよ。僕が褒められなくなる原因になりかねない奴はたくさん消してきましたしここまで上がって来ましたよ…開けてください」

ドアを叩く音が次第に大きくなっていく。

ながつき「……そうですか。やっぱり僕は面白くないんですね。それならもういいです」

ドアを叩く音が止む。

助かった、というような気持ちでドアスコープを覗く。誰も居ない。

ほっと胸を撫で下ろし、鍵を開け恐る恐るドアを開いた。

KUN「…………よし、これで何とか」
ながつき「こんばんは、KUNさん」