【ハイキュー!!】I am so Lucky Man!

◆03◆ ページ18

《しかしよく寝るよね》という一言で、目が覚めた。
孝支先輩の声だった。
というかよく考えてみると、孝支先輩の膝の上だ。
二回目だ、膝枕。

「あ、起きた？……大丈夫？」
「最近寝不足だったので……まあちょっとは改善ですかね。」

私の活動限界時間は十三時間。
つまり睡眠時間は十一時間必要なわけで。
まあ誰が決めたわけでもないんだけど、家では九時間ほど寝させてもらっている。
残りの二時間はどうやって寝ていたかっていうと保健室でどうにかしていたんだけど。
最近それもなかったし。
最近とっても眠かったし、まあ今回の睡眠でちょっと回復。

「Aちゃん、よく寝るね。」
「そうですか？……ふあ、今日木曜日！」
「その点は大丈夫。ワンセグ繋いでるから見られるよ。」

そういえばここどこなんだろうと思って辺りを見回してみる。
あれ、肉まん機がある。
……坂ノ下！？
と、思っていると、安定のタイトルコールが始まる。

「VS嵐！」

いやー、やっぱ安定の嵐ですな、いい、実に良い、イケメン。

「あれ、二宮さん。……大西ライオンさんですか？」
「心配ないさー！じゃないんですよ。」

いやん、磁石コンビ！
禿げる、禿げるマジ。

「……ああん可愛い！……月イチだ！可愛い！」

あれ、周囲の目が白いぞ。
……あ、アラシック具合に引いていらっしゃる？
一時間、早く過ぎろ！
……あ、やべ、《ガッツです》とかマジ可愛い。

　《VS嵐》のオンエアが終わってから坂ノ下商店を出た。
あー、誰も心配してくれる人が居ないや。
もう親もいつだかわからない間に海外出張出て行ってしまったからねえ。

「……ふにっ……ふまままいへ、ほうひへんはい」

孝支先輩にほっぺたつままれた。
孝支先輩、ずっとふにふにしている。

「やっぱ可愛い。」

何気ない一言ですか、それ。
狙って言ってんですかそれ。
もうそれ萌え禿げちゃうよ！

「……へんはい？」

離して、と言おうとすると、孝支先輩は突然ぎゅうっとしてきた。

「……Aちゃんの好きな人は誰？」

《俺らの名前は何だ？》とかぶって。
思わず《嵐ー》ってコンサートのノリで言おうとしてしまった私が恥ずかしい。

「孝支先輩。」

信号が、赤から青に変わる。
孝支先輩が笑顔になった。

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