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…
入院から2ヵ月。
頭の手術跡もほとんどわからなくなり、ICUからも個室の病室になり、病院でリハビリの毎日。
学校は休学。
麻痺を告げられた左半身は必死のリハビリにより、少しの動作なら震えながらもできるようになった。
健人は、仕事がどれだけ忙しくても毎日1回は来てくれる。
でも、ずっと考えてることは1つ。
こんな私が健人の隣にいる資格はない…
ということ。
健人の事は好きだし、離れたくはない。
けど、自分がこんな事になったせいで、寝る時間も惜しんで御見舞に来てくれたり、リハビリを手伝ってくれたり。
今の私は
健人の負担でしかない。
リハビリをしたって、長時間立っている事は負担になるから、車椅子を使うことや、歩く時には腕に付けて使う歩行器具が必要になる。
「はぁ…」
そんなときお兄ちゃんから伝えられたのは
"退院"
お兄ちゃんは退院したら一緒に住もうと言ってくれている。でも、お兄ちゃんと暮らすことになると、学校に通うことが難しくなる。
健人には退院の日は伝えていない。
退院して、お兄ちゃんの家に帰る。
もう、健人には会わない。
そう決めた。もうこれ以上健人と一緒にいると健人を苦しめるだけ。コンサートも行かない。
家で応援する、だけ。でも、もし、いつか決心ができたらまたコンサートに行きたいなぁなんて。
この事はお兄ちゃんには伝えてある。お兄ちゃんも健人にはもう迷惑を掛けたくないという私の気持ちを汲んでくれている。
.
退院前日。
健人は普通に御見舞に来てくれた。
また、明日ね。
そう言われたけど、返事は出来なかった。
健人がドアを閉めたところで堪えきれなくなり、声を殺して泣いた。
「け、んと…っっ…ごめっ…ごめんっ…また、あした…って言えなくて…勝手に…決めて…ごめん…なさい」
ホントは離れたくもない。ずっとずっと一緒にいたいのに…
まさか、泣いている声を健人が聞いているとは知らずに。
.
.
退院当日。
利央「ホントに…いいの?」
「うん。いいの。」
利央「じゃあ、いこっか。」
お兄ちゃんに車椅子を押されて、病院を出ると。
大きな花束を持った男性が立っていた。
.
その人は
紛れもなく、私が好きな人で。
.
利央「ごめん…」
「お兄ちゃん?」
お兄ちゃんが謝る理由も分からない。
健人「A!!」
「どうして…っっ」
どうして健人がいるの?
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ボニータ(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!お疲れ様でした。次は健人くん×メイクさんが見たいです! (2018年9月30日 23時) (レス) id: 72f470d224 (このIDを非表示/違反報告)
子猫(プロフ) - 風磨くん×年下彼女がいいです!! (2018年9月30日 22時) (レス) id: 8b4fae9aa5 (このIDを非表示/違反報告)
優希那(プロフ) - 風磨くん年下彼女が見たいです!! (2018年9月30日 22時) (レス) id: f10fd4eccd (このIDを非表示/違反報告)
H(プロフ) - 更新お疲れ様でした!健人くん×メイクさんが見たいです! (2018年9月30日 22時) (レス) id: 9434ce42c9 (このIDを非表示/違反報告)
Chihiro.K☆*。(プロフ) - こんにちは! 「Lucky girl」、楽しかったです♪ 次回作は、風磨くん×年下彼女がいいです! (2018年9月30日 21時) (レス) id: 42bd8471a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:na_chu | 作成日時:2018年8月11日 17時