【幕末Rock】もう一度、ここから始めよう。【桂小五郎】

第七話 ページ7

走って逃げてきた私は、河原で一人泣いていた。

貴「……ああ、最悪だ……」

思ってないことまで、口をついて出てきてしまう。

最低、とか大嫌いだ、とか。


今思えば、何で別れたいのかすらろくに聞いてない。


勝手に、嫌いなんだって決めつけて。

怒鳴って。



――――大嫌いなんて嘘。

――――最低なのは私。

そんなの、分かってる。



だからもうきっと、彼は私のところには来ない。

愛想尽かして、呆れてるに違いない。

嫌われたに違いない。


貴「……好きだよ……小五郎……!」

好きだよ。

大好きだよ。

表しきれないくらい好きだよ。





…………こうなる前に、ちゃんと話をするべきだった。

ちゃんと小五郎の事、もっと聞けばよかった。

我儘になってた。

どんなに苦しくても、貴方がいればそれでよかったのに。




貴「私これからどうすればいいの…?」


小五郎以外の人なんて、愛せない。

愛したくない。

小五郎の一番がいい。

貴「別れたくなんてない―――……」

小五郎のいない生活なんて、耐えられない。





貴「小五郎―――…」

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