【幕末Rock】もう一度、ここから始めよう。【桂小五郎】

第六話 ページ6

解放される……?

私から……

じゃあ、小五郎はずっと私といるのが嫌だったってこと――?

だから、記憶ないフリしてたんだ。

あの頃の関係を崩すために。

実際、もうあの頃には戻れそうにない。

あの頃の小五郎は

私の彼氏の小五郎は

もういない。

貴「……こんなの、あんまりだよっ―――!」

つい、声に出してしまった。

高「――A!?」
桂「――っ!?」

障子が開かれ、聞き耳を立てていたことがばれてしまった。

でも、今はそんなことどうだってよかった。


……小五郎の顔、見れない。

桂「――今の話、どこまで――」

貴「……だいたい、聞いたよ。どうして言ってくれなかったの?」

ああ、まずい。

抑えが効かなくなってきた。

貴「嫌いなら嫌いだって…別れたいなら別れたいって!!!」

桂「嫌いだなんて思ってないです!」

貴「別れたがってるのは事実でしょう!?」

止まらない。

貴「嘘ついて、こっちから別れようっていうの待ってるだけなんて…最低」

涙も出てきた。

ああもう、何もかもがぐちゃぐちゃだ。

貴「小五郎なんて、大嫌いだ」

全力で睨み付け、その場から走り出した。




桂「Aっ!―――っ、く……」

高「桂さん無理すんな!!」

彼女を追おうとして走ろうとした刹那、鋭い痛みが走る。



高「―――アンタは、今は重病にかかってんだから――!」

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